南九州 命の洗濯ツーリング(四日目)

2003年 4月30日(水)

なんとかキャンプ場に潜り込んだものの、天候はどんどんと悪化してきています。
開聞岳は独立峰であり、南半分は海に面しています。 湿った南風が吹くと、開聞岳にぶち当たって回り込みながらこのキャンプ場を襲うことになります。

台風には慣れているつもりですが、さすがにそんな中でテント泊をしたことはありません。 テントが飛ばされたり、引き裂かれるのではという恐怖を覚えるほどの風の音は、まさしく悪魔の咆哮です。 寝付けるわけもありません。

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眠れなくても、目を瞑って横になるだけで休めるのでそれはいいのですが、時折ものすごい風圧でテントがひねり潰されそうになります。

顔のすぐ近くまでテントが押しつぶされて、いつまでこんな状況が続くのか、果たしてテントは持つのかと、時間がとても長く感じました。

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いつの間にか、うつらうつら眠ってしまったようです。 午前五時を過ぎて、周囲が白み始めてきました。 風も少し収まってきたようです。 これ以上ここに居ても仕方ないので撤収することにしました。

近くに東屋もない中での撤収でしたが、フライシートは着けたままテント本体を片付けるという方法で切り抜けました。

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ムーンライトⅢは風にも強いテントですが、あまりの強風にポールが1本曲がってしまいました。 出発する頃にはほとんど雨は上がりました。 06:28 出発します。

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来た道をそのまま戻ります。 池田湖にはイッシーという巨大水棲生物がいるらしいですが、しばらく湖面を見てもそれらしい影は発見できませんでした。

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昨日は真っ暗でよく分からなかったのですが、県道17号はなかなか良い道でした。 天気が良ければ最高でしょうね。

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指宿スカイラインの頴娃I.C.には乗らず、県道234号から232号を経由して知覧へ。 だんだんとお茶畑が見えてきた。

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やがて知覧市街に入ります。 石灯籠や武家屋敷が立ち並ぶなか、小学生が登校していたりして、薄汚い格好をしたバイクキャンパーは場違いも甚だしい感じです。

07:18 平和公園にも行ったのですが、知覧特攻平和会館はまだ開いてなかったので、先を急ぎました。

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指宿スカイラインには乗らず、県道23号で平川からR226へ(08:06)。 でも交通量が多くて後悔。 県道219号で谷山I.C.から指宿スカイラインに乗り、そのまま九州自動車道へ入ります。

08:55 桜島S.A.で休憩。 起きてからまだ何も食べてなかったので、さつま揚げを食べました。 09:14 出発。

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09:25 溝辺鹿児島空港I.C.で降りて、R504からR223へ。 霧島高原を目指します。

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最短コースで行くなら県道1号を上がればよいのですが、それでは面白くありません。 写真は分岐点を過ぎたところにある九尾滝(10:13)。

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霧島神宮(寄ればよかった)の前を通り、10:33 県道480号から登っていきます。
天孫降臨の「天孫」って、天照大神の孫という意味なんですね。

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樹木のトンネルといいますが、まさにそんな感じです。

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霧島はれっきとした活火山です。 あちこちで湯気が上がっています。

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尾根筋に出たのですが、半端ない霧で何も見えません。 さすが霧島というだけありますね。 前走車のテールライトだけが頼りです。

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写真では何がなんだかわかりませんが、宮崎県側の県道30号との分岐点にて(11:03)。 最高点は不動池近くの1,237mでした。

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1,000m以上を一気に下って小林市に降りてくると、霧は晴れました。
12:14 スーパーの中にマックを見つけたので立ち寄ります。 どうやら自然の中にいると心が文明とバランスを取ろうとして、マクドナルド(特にてりやきバーガー)が食べたくなるようです。

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12:43 出発します。 明日は阿蘇で待ち合わせがあるので、できるだけ阿蘇の近くで野営をしたいところです。
13:00 時間短縮のため、小林I.C.から宮崎自動車道に乗り、熊本県に入ります。

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13:27 九州自動車道の人吉I.C.で降りて、ここからはR445で五木村を目指します。

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道の駅「子守唄の里 五木」でトイレ休憩。 特に珍しいものはなかったです。

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14:12 道の駅から少し行ったところに、子守唄公園がありました。
川辺川ダムってどの辺りにできるのかな? この辺りも水没してしまうのかな?

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ダム工事に伴って整備された2車線区間と、従来の狭小区間が交互します。

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でも酷道ファンとしてはこんな道の方がワクワクしますね。 

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大型の対向車が来ないことを祈りながら通過します。

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ここは県道52号(左側)との分岐点なんですが、これじゃ見落としてしまいそうですね。 そのままR445を進みます。

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工事中の区間。 道路と言うよりは橋がジグザグになっています。

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ものすごく高いところまで養生中ですが、いつ落石があってもおかしくないです。 早く立ち去りたいけど、写真も撮らなければなりません。

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秋になったら紅葉が見事でしょうね。 でも新緑も悪くありません。

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15:28 二本杉峠に到着しました。 ハイカーが多いですね。

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峠からの眺め。 山岳ルートはこれでおしまい。 あとは北側に下っていくだけです。

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16:01 砥用町に降りてきて、有名な霊台橋を見学します。 確か修学旅行で来たように思います。
今は新しい橋が出来て車道はそちらに移りましたが、かつてはバスやトラックなど大型車もこの上を通っていたのだとか。 すごい技術ですね。

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ツーリングマップルに内大臣橋というのが載っていたので、ついでに行ってみます。 畝野の交差点あたりからR218から逸れて、わかりにくい道をうねうねと進みます。

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あれがそうかな?

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16:22に内大臣橋到着。 かつては東洋一のアーチ橋だったそうですが、わざわざ時間掛けて見に来るほどでもありません。 欄干に鉄条網があるのは、自殺の名所だからみたい。
昔は有料だったらしいけど、こんな辺鄙なところでお金払って渡る人がいたのかな?

ちなみにこの辺りにはかつて、内大臣森林鉄道というのが走っていたそうです。

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内大臣橋を渡って、対岸で県道180号に入ります。 16:45 鮎の瀬大橋(写真)を渡って、通潤橋を目指します。

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16:53 撮影ポイントへ。 通潤橋も修学旅行で来たことがあるので、あまり感動はありません。 一応、トランザルプと記念撮影しておきます。

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16:59 R445に入ります。 阿蘇の外輪山を越えるために、北中島交差点から県道57号に入り、吉無田高原へ登り菊池人吉林道へ。 林道といっても舗装されていてまだ新しいので、快適に飛ばせます。 一気に走って17:35にはキャンプ場へ。

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この辺りにはキャンプ場がたくさんありますが、風の里というキャンプ場に行ってみました。 もちろんアポ無しですが、雰囲気もよく問題なく受付できました。

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空いているところならどこでも構わないということだった、オートキャンパーのいないちょっと離れたところにテントを張りました。 それにしても日が暮れる前に設営ができるって、素晴らしいね。


テントの設営が終わり、近くの「俵山温泉 泉力の湯」へ出発。 とてもいい温泉でした。
面倒だったので、風呂上りに館内の食事処で夕食も済ませました。 高菜飯とダゴ汁のコンビネーションは最高でした。

帰りにセブンイレブンで酒と朝食を買い出しして、19:39にはテントに戻りました。 明日はいよいよ阿蘇を走ります。


本日の走行距離 352km
Google Earth用KMZファイル(開聞岳~西原村) → 20030430.kmz