NIKKEI NET:三菱自再生特別チーム、グループ外支援要請検討も
独ダイムラークライスラーが支援の打ち切りを決めた三菱自動車の再建を巡り、三菱重工業、三菱商事、東京三菱銀行の三菱グループ3社と三菱自で構成する「事業再生特別チーム」は25日、グループ外の企業にも増資引き受けなどの支援を要請する検討に入った。再建資金の規模は当初計画の増資と融資を合わせて7000億円から圧縮するが、三菱3社の追加出資など三菱グループだけで必要な資金を確保するのは難しいとみて、支援体制を柔軟に検討することにしたもようだ。
前のエントリが長くなったので。
先週末は、三菱自動車関連の方は夜も眠れなかったのではないでしょうか。 今後の生活が激変するかもしれないですからね。
さて、現時点ではまだ債務超過になっていないものの、信用不安から国内外の販売悪化は避けられないでしょうね。 残された時間はあまりないと思います。 「特別チーム」に掛かるプレッシャーは相当なものでしょうけど、頑張ってほしいですね。
三菱自の再建、提携先などは幅広い視野で検討されるべき=経産次官 - ロイター
村田次官は、三菱自動車の再建について、「各地に工場を展開し、関連企業の従業員まで含めると、仮に三菱自動車の再建が順調に進まない事態になった場合、かなり重大な事態、問題を引き起こす懸念がある。その意味では、重大な関心と懸念を持って、いましばらく当事者の協議を注意深く見守る」と語った。その上で、経産省としては、事態の推移をみながら臨機応変に対応していく考えを示した。
さらに、再建問題に関連して、「一番大事と思っているのは、企業の数字上のつじつま合わせではなく、人の命にかかわるような非常に重要な製品を生産、販売してきた、そのことの意味、重さを踏まえて企業文化自体から立て直す必要がある」と述べた。その上で、「どことどう提携を組むか、連携をとるか、どこに支援を求めるかというあたりも、幅広い視野から検討されてしかるべきだろう。そういった視点は、現在、協議を重ねているだろう関係者の頭の中に当然あるだろうと期待している」と語った。u300
なかなかいいこと言うな。
三菱自動車との関係は、今後も続ける=日産自社長 - ロイター
日産自動車 のカルロス・ゴーン社長は26日の記者会見で、三菱自動車の経営再建問題について、「三菱から軽自動車を買っているし、基幹部品の合弁でも良好な関係を築いている。彼らが望めばその関係は続ける。それ以上は何の予定もない」と述べた。
確かにトヨタよりも日産の方が補完関係は築けるかも。
三菱自再建、日本経済に影響出ない処理望む=日本経団連会長 - ロイター
三菱自動車の再建について、奥田会長は「(出身企業は)同じ自動車業界だが、他の会社のことで詳細は知らない」としたうえで、「大きなインパクトがある会社。(三菱グループの)金曜会もあり、日本経済に影響が出るようなヘタな処理はしないと思う」と述べた。
こりゃ脈はないね。
NIKKEI NET:エクロート三菱自動車社長退任、橋本副社長が代行
経営再建中の三菱自動車は26日、ロルフ・エクロート社長(61)が退任したと発表した。筆頭株主の独ダイムラークライスラーが三菱自への支援打ち切りを決めたため。当面は橋本圭一郎副社長兼最高財務責任者(52、CFO)が業務を代行、30日の臨時株主総会で後任を選任する。30日に同社会長に就任予定の岡崎洋一郎取締役(61)が社長を兼務する可能性もある。
ダイクラの後ろ盾がなくなってもう死に体だったからね。
asahi.com : 三菱自の再建問題、産業再生機構の活用否定 金子担当相
独自動車大手ダイムラークライスラーから追加支援が打ち切られた三菱自動車の経営再建問題を巡って、金子産業再生担当相は27日の閣議後会見で、「今の段階では私たち(産業再生機構)の出番ではない」と述べた。金融界の一部に機構の活用を求める声もあるが、これを否定し、当面は静観する考えを示した。
三菱グループがどこまで自力でできるかですね。
ドイツ・米国の自動車大手ダイムラークライスラーのシュレンプ社長が、三菱自動車への支援打ち切りをきっかけに、業績不振の経営責任を問われている。「欧州を軸に北米・アジアに事業を拡大した世界戦略は失敗に終わった」(機関投資家)と厳しい批判を浴びており、進退問題も浮上している。
株主の銀行系投資会社の代表らは「新しい戦略は新社長の下で」とシュレンプ氏の辞任を要求、マスコミ論調も「背任の批判がある」(フランクフルター・アルゲマイネ紙)などと容赦ない。
こっちもゴタゴタしてますな。
三菱自、北米重視に転換 新再建策は脱「ダイムラー」 - asahi.com : 経済
しかし、ダイムラーの姿勢急変を受け、三菱重工業など三菱グループ主要3社を加えた「事業再生特別チーム」が23日から検討している新再建策では、利幅の薄い小型車でアジア市場だけに生産・販売拠点を特化していては、激化する競争で立ち遅れると判断した。
「自動車事業にとって年1700万台前後の需要がある北米は宝の山」との意見が大勢を占め、北米での生産縮小やスポーツ用多目的車(SUV)「パジェロ」の海外への一部生産移管などの従来案を撤回。北米での三菱車生産は縮小することなく継続する方針だ。
また、主力車種のパジェロについても、当初の生産縮小計画を撤回する方向だ。ダイムラー側は岐阜県坂祝町の三菱自100%出資の「パジェロ製造」の中国移管やパジェロの車名廃止を主張。三菱自側は2リットルクラスに小型化して車名を残す折衷案を示していた。
だが新再建策案では、3.5リットルの現行大型モデルも生産を継続し、日米で販売攻勢を図る。今後はこの路線を可能にする資金確保が課題になる。
確かに北米市場は利益が大きいから、手放してしまうのは得策ではないね。 もうクライスラーのことは気にしなくてもいいんだし。
でも、それで済む話なら、こんな状況になっていないわけで。 結局、リストラ原資が限られているから大幅な合理化ができないだけでしょ? 株式市場の見方は厳しいと思うけど。
抜本改革をしなくても、1年くらいは食いつなぐことが出来るかもしれないけど、今年度はもう新車は出ないしね。 離れていった消費者の信頼を取り戻すのは数年掛かるよ。 ぐずぐずしてると本当に債務超過になりかねないな。
NIKKEI NET:独ダイムラー、三菱自に予定通り非常勤取締役
コルデス氏は4月30日開催の三菱自の臨時株主総会を経て就任する見通し。ダイムラーは23日に三菱自への支援打ち切りを決めた。だが現在取り組んでいるエンジンや小型車の共同開発・生産などの共同事業を円滑に進めるためにも、ダイムラーでユルゲン・シュレンプ社長に次ぐナンバー2とされるコルデス氏を送り込み、影響力を残す必要があると判断した模様だ。
ダイクラの利益代表といった感じかな?
ダイクラが今後も37%の出資を続けるなら、北米市場で全くのフリーハンドという訳にはいかないかもね。
asahi.com : ライバル企業の回復格差 波に乗る企業、乗れない企業
日興シティグループの自動車業界アナリスト、松島憲之さんは、
「三菱は、このままでは、車が売れない→開発投資ができない→売れる車が作れない、という悪循環に陥ってしまう」
と心配する。
外形的には似る両社だが、ゴーン氏が徹底的に社内の人材を活用し、若手から改革の知恵を出させたのと比べると、ダイムラークライスラー出身のロルフ・エクロート社長は、フォード日本法人や東京三菱銀行など外部から引き抜いた人材で再建を主導し、手法に大きな違いがある。
「これでは、かえって、中間管理職や末端社員から上層部に情報が伝わりにくいのではないか」
そう、松島氏は指摘する。
本当に社内に人材がいないのかわかりませんが、経営トップと現場とで”想い”に乖離が生じていることは事実でしょうね。
国内で一所懸命に働いている人からすれば、「北米のローンの焦げ付きで、なんで俺たちのボーナスが減ったり、リストラされなきゃならないんだ」と思うでしょうね。 リコール隠しもしかり。
三菱自工の再建、やれるだけの最善尽くす=東京三菱銀次期頭取 - ロイター
東京三菱銀が債権放棄に応じなかったため、独ダイムラークライスラー が三菱自動車の支援を見送ったとの一部報道については、「債権放棄はいろいろな前提があり、簡単にできるわけではない。できることと、できないことは区分する必要がある」と述べた。
三菱自工の再建過程で産業再生機構を利用する可能性はあるかとの質問に対して、同次期頭取は「再生機構の利用は当面考えられない」との見解を示した。
なんか、「絶対潰させない!」という強い意志が見られないのが不安ですね。
ダイムラーとの提携解消も 三菱重工、自動車再建で - 共同通信
三菱自動車の主要株主である三菱重工業の永田育郎常務は28日、同社の決算発表の記者会見で、三菱自とダイムラークライスラーの提携について「今関係が切れるわけでもないが、今後話し合う必要はある」と述べ、利害調整がつかない場合には資本提携を解消する可能性があることを示唆。三菱グループが練り直している再建策を、5月中旬にも発表する意向も明らかにした。
三菱重工などで組織する三菱自の事業再生チームは「(再建策練り直しでは、ダイムラークライスラーに頼らず)自立できるよう努力している」とも述べた。
でも、大株主の意向は無視できないし、ダイクラがタダで株式返してくれる訳でもないしね。
ダイムラー内で権力闘争 監査役会は大荒れと独紙 - 共同通信
ドイツ紙フランクフルター・アルゲマイネ(電子版)は28日、ドイツ・米国の自動車大手ダイムラークライスラーの取締役会内部で、シュレンプ社長の世界経営戦略を批判する声が強まり、権力闘争となっていると報じた。社長辞任に発展する可能性もあるという。
ダイムラーは29日にニューヨークで監査役会などを開催。同紙は「(社長解任が)決議されるかは定かではないが、監査役会は大荒れになる」と予想している。
報道によると、三菱自動車への支援打ち切りを決めた22日の臨時監査役会で、提携を推進してきたシュレンプ社長が辞意を表明、側近でアジア担当のコルデス取締役と世界戦略担当のグルーベ取締役も辞任を申し出た。だが、監査役会は3人を当分の間留任させることを決定した。
ドイツの企業も、結構社内の権力争いが激しくて、数年前にBMWでも、英ローバー買収などを指揮したベルント・ピシェッツリーダー社長が解任されています。 その後、ピシェッツリーダー氏は、VWのピエヒ会長に後継者として招かれました。
NIKKEI NET:三菱自再建、三菱グループが増資2000億円引き受け
三菱自動車の再建を巡り、三菱重工業、三菱商事、東京三菱銀行を中心とする三菱グループは28日、三菱自が実施する総額約2000億円の増資を引き受ける方針を固めた。三菱自が臨時株主総会を開く30日にも発表する。グループ外へも支援を求めていくが、当面は三菱グループが三菱自の経営を支える姿勢を明確にする。
3社は23日に三菱自の筆頭株主である独ダイムラークライスラーが支援打ち切りを決めたのを受け、三菱自と共同で再建計画を練り直している。三菱グループが引き受ける増資で得る資金は新車開発などに充てる。
つーことは、リストラの原資はどうするんでしょうね?
29日付のオーストラリア経済紙フィナンシャル・レビューは、再建中の三菱自動車の豪州工場存続問題について、「(工場のある)南オーストラリア州政府は、豪州最弱の自動車メーカーに出て行ってもらう好機ととらえるべきだ」とする辛口の社説を掲載した。
何もそんなこと言わなくても・・・
シュレンプ体制「全面支持」 ダイムラー監査役会が声明 - asahi.com : 経済
声明は冒頭、「最近の報道を考慮して」とシュレンプ氏辞任の憶測を打ち消す意味合いを強調。「当社の戦略的な方向性を全面的に支持する」と続けている。
シュレンプ体制は続くが、韓国の現代自動車との資本提携も縮小の動きが伝えられるなど、ダイムラーのアジア戦略は大幅な見直しが迫られている。乗用車が不振の米クライスラー部門の立て直しとともに、重い課題を背負った状態に変わりはない。
意外に人材が居ないんじゃないのかな?
asahi.com : 三菱自、各社に協力要請 しわ寄せ食う部品会社の支援
三菱自動車は30日、経営再建のための合理化で部品メーカーの資金繰りや雇用対策が必要になる場合に備え、トヨタ自動車など主要な国内自動車メーカー各社に協力を求めていることを明らかにした。三菱自に部品を納入している中堅・中小企業は主要メーカーと重複している例もあり、これらの企業への影響を最小限に抑えるために支援を要請したもの。
部品メーカーも怖いよね。 ちゃんと払ってくれるんだろうかって。
NIKKEI NET:三菱自再建でグループ3社、トヨタグループに協力要請へ
三菱重工業、三菱商事、東京三菱銀行の三菱グループ主要3社は三菱自動車再建の一環としてトヨタ自動車グループに資金面や雇用対策などで協力を求める。三菱自が今後、取り組む合理化で必要になる資金の調達や、余剰人員の雇用などが対象になる。
トヨタに頭を下げるのは屈辱的でしょうが、背に腹は替えられないでしょうね。
asahi.com : 三菱自動車、臨時株主総会始まる 独自の再建策に質問も
経営再建中の三菱自動車の臨時株主総会が30日午前、東京・品川の本社で開かれた。増資による資金確保のため優先株発行を可能にする定款変更や、会長兼社長に就任することが29日に決まった三菱重工業元常務の岡崎洋一郎氏の取締役選任が了承された。筆頭株主の独ダイムラークライスラーが三菱自の増資引き受け拒否を表明する方針転換もあり、株主からは三菱自が独自に策定中の再建策について質問が出たが、具体策は示されず、5月中旬以降に発表する考えを示すにとどまった。
こんだけ何にも決まってなくて、よく承認できるなぁという気もしますが。
asahi.com : 「パジェロ」は存続へ 三菱自・岡崎会長兼社長が会見
岡崎氏は会長兼社長への就任について「一時的なものではなく、再建計画の達成に責任を持つ」と述べた。三菱自が練り直し中の再建計画については「日本のメーカーである以上、日本市場でいかに存在感を高めるかが最重要課題」と強調し、国内市場でのてこ入れ策を優先する考えを示した。
経営者って、顔つきを見れば大体どの程度かわかるといいますが、岡崎氏はどうでしょうね。
asahi.com : ダイムラー保有株比率33.3%以下に 三菱自が交渉へ
ダイムラーは同社のグループ会社分も含めれば、三菱自の発行済み株式総数の約37%を保有している。保有比率が33.3%を超えたままだと、定款変更や減資、取締役や監査役の解任など、重要事項を決める株主総会での特別決議を、ダイムラー側が単独で否決できる。
ただダイムラーとしては、三菱が北米重視の戦略を取ってクライスラーと競合するなら、拒否権を保持して影響力を保ちたいところじゃないかな?
MSN-Mainichi INTERACTIVE 三菱自再建策:50%前後の減資を検討 株主責任求め
今月中旬の策定を目指す三菱自動車の経営再建計画は、50%前後の減資を盛り込む方向で検討が続いている。支援打ち切りを表明した筆頭株主(約37%の株式を保有)の独ダイムラークライスラーをはじめとする株主にも、経営不振の責任を求める意味がある。ただ、減資を行うには株主総会での特別決議が必要で、ダイムラーの賛成を得られるかは不透明。調整の行方は曲折がありそうだ。
株主責任!? よく言うよ!! だったら、リコール隠しや北米で出した自動車ローンの焦げ付きなんか、株主代表訴訟の対象でしょう?
株主の責任を問う前に、取締役を含む全役員が退任するべきじゃないの?