ITmedia ライフスタイル:「Witness」は、物言えぬ被害者の“最後の味方”だ
一瞬のうちに起こる交通事故はそういう意味で、事後調査では完璧な再現が不可能で、不明な点が多く残り、実際の体験当事者も、時間の経過と共に、周囲の意見やその後の種々の要素で記憶が不確かになる傾向が強いものだ。
昔、自動車雑誌の『NAVI』でも問題提起していましたが、日本では欧米に比べて交通事故の状況を吸い上げて、交通安全に役立てる体制が遅れています。
自動車版フライトレコーダーの構想は昔からありますが、なかなか実現しませんね。 もちろん、事故直前の一部の記録が残る場合もありますが、GPSのトラックログや前後左右の映像、車内の会話などまで含めて記録しないと、本当の状況は分かりません。
最近は携帯電話に搭載されたカメラでも、メガピクセルが当たり前になっています。 CCDモジュールの単価がいくらかは知りませんが、クルマの前後左右と運転席に4~6個搭載して、エアバッグが開く直前の10数秒とその後の数秒を保存する装置を工場オプションで装備するのは、技術的には全く難しくありません。
問題はコストで、当初は台当たり10万円近く掛かるでしょうから、高級車からの採用となるでしょう。 法律で義務化されて量産化が進めば、3万円くらいまでに下がるかもしれません。
本当に交通事故を減らしたいなら、ユーザー、自動車メーカー、保険会社、政府のそれぞれがコストを分担しても、導入する価値はあると思うのですが。