内側から見た富士通「成果主義」の崩壊

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管理職のみならず、平社員にまで成果主義が導入されて久しいですが、日本企業では早い時期に導入した富士通の内情を、元人事部社員が本に書いています。
結構売れているらしいです。

内側から見た富士通「成果主義」の崩壊
城 繁幸
光文社 (2004/07/23)
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5 誤った成果主義の運用が、企業を弱体化させる実例
4 読み辛い
4 サラリーマンにとっては痛快な読み物

富士通といえば数年前に、業績見通しの下方修正を連発したり、当時の秋草社長が「業績が悪いのは社員が怠けているから」と発言したりと、話題になっていました。
まだ学生時代、NHKスペシャル(あの頃はNHK特集だったかな?)で、富士通の課長昇進試験について、チャレンジしている社員に密着した番組がありました。
それを観た時に、「うへぇ~、こんな会社じゃ生きていけない」と思ったのを思い出します。

年々、求められる仕事の密度が上がっていくのは、厳しい企業間競争を考えれば仕方のないことだと思います。 「頑張りました」が通じる時代じゃない。 数字で実績を出さないと、何の評価もありません。 営業の人は昔からそういう働き方だったのでしょうが、今や工場で働いている人でも同じような評価のされ方をしています。
時代の流れでもありますし、「なんであの人が管理職で、高い給料貰ってるの!?」という人(私が若い頃はよく居ました)が減るのはいいことだと思います。

もともと「野武士」と言われていたのが、成功によって「エクセレント・カンパニー」とかもてはやされたもんだから、大企業病になっちゃったんですね。 そこで成果主義を導入したのでしょうが、社内に蔓延っていた官僚主義と結びついて、悪い方に出ちゃったんだろうと思います。

ところで、この本。 本文中にやたらと英単語が出てくるんだけど、何を意図しているのかな? 日本語では表現できないニュアンスを伝えようとしているのか? はたまた、企業英語の勉強にもなりますよ、とでも言いたいのか? 立ち読みしてて、ウザくなったので、買うのは止めました。