音楽管理ソフトとしてのiTunes

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ダウンロードしたDRM付楽曲は仕方ないとしても、音楽CDからリッピングしたデータは、昔からMP3にしています。 巷でその使い易さが絶賛されているiTunesですが、MP3にも対応していますから、別にiPodを持っていなくても使えます。
という訳で、iTunes 4.7.1 for Windows をダウンロードして使ってみました。 iPodなどのポータブルデバイスと切り離して、音楽(MP3)データの管理・再生ソフトとして評価してみます。

インストールして、まずは今まで溜め込んだMP3の楽曲を、iTunesのライブラリに登録します(メニュー「ファイル」=>「フォルダをライブラリに追加」)。 MP3データの保存場所は移動されないので、SonicStage 2.3 for Mora(以下SS)の方には影響ありません。 著作権管理データなしのWMAファイルについては、MP3に変換するか聞いてきます(変換しないので「スキップ」を選択)。

さて、ライブラリへの登録も終わったので、一曲聴いてみようとライブラリを開いてみました。

見事にフラットな管理というか、自動ではアルバムごとやアーティストごとのリストは作成してくれないのでしょうか。 イチから自分で作るのなんてヤダよー。 と思ったら、右上の”目”(ブラウズ)のボタンを押すと、ジャンル/アーティスト/アルバムの表示ができました。 良かった良かった。

ちなみに、SSではこんな感じです。 SSでも「すべての曲一覧」で、フラットに表示できますが、基本的にはアーティスト/アルバムごとの管理となっています。 古い人間には、こちらの方が安心感がありますね。

さらにちなみますが、Windows Media Player 10(以下WMP10)ではこうなります。 id3タグに書き込まれた情報を元に、アーティストやアルバムのリストを表示できます。 こちらはiTunes流のフラットな表示も、SS流のアーティスト/アルバム表示も自由です。

映像も音楽も、これ一本の使い方を覚えればOKという意味では、WMP10の優位性は大きいのかもしれません。 今まではDVDなどの再生くらいにしか使っていませんでしたが、音楽管理・再生にも結構使えるかも。


iTunesの再生音質は、若干おとなしめかなと思いましたが、有意な違いではありません。 曲間のギャップは少し小さいような気もします。 iTunesの再生回数のトップ25とかは面白いですね。 SSでも再生回数はカウントしてますが、ランキングとかはできません。 自分でレート付けたりとかは、面倒なのでしないと思います(評価機能はWMP10にもあります)。


起動時間は、SSに比べれば速いかなと思いますが、圧倒的にWMP10が勝ちます。 OS統合による勝利でしょう。 iTunesも、Mac OS X版は起動が速いらしいし。
CDからのリッピングについては、どれもCDをドライブに入れると自動的に録音して、CDDBにアクセスして曲名も調べてくれます。

MP3への変換は3つともサポートしています(ただしSSは有償の「SonicStage MP3追加プログラム」が必要です)が、設定できるビットレートに違いがあります。 iTunesは、プリセットは128k、160k、192kbpsの3つだけですが、カスタム設定で16k~320kbpsまで16段階に設定できます。 しかも、可変ビットレート(VBR)やジョイントステレオの可否なども設定することができます。 SSは96k、112k、128k、160k、192k、226k、256kbpsの7段階、WMP10は128k、192k、256k、320kbpsの4段階で、どちらもビットレート以外の設定はできません。 この点ではiTunesの圧勝といっていいでしょう。


オンラインストアへの接続は、SSはMoraへ、WMP10はMSNミュージックなど9つのストアへ接続できます。
WMP10_store.jpg

iTunesも「ミュージックストア」からiTMSへアクセスできますが、「あなたの国では営業していません」(英語)と表示されます。 米国などのiTMSにはアクセスできますが、購入には米国内の住所のクレジットカードか、PayPalのアカウントが必要です。
MP3管理ソフトととしての評価ですので、オンラインストアへの対応は余禄ですが、日本でサービスが始まってもいないのでは、残念ながらiTunesはまだスタートラインにすら立てていません。 今年中には開始ということですので、期待して待ちたいと思います。


総合的に見て、iTunesにそれほど優位性はないように思えました。 もちろんそれは、iTunesを目標にSSやWMP10が同じ機能を実装したからなのでしょうが、単独の音楽管理ソフトとしてはどれも同じといっていいと思います。
むしろiTunesを評価するハズが、WMP10が好印象だったのは意外でした。 自分はAppleのソフトとは相性が悪いのかな? QuickTime6 だってPro版レジストしたのにイマイチ合わなくて、映像系はWMP10使ってるもんなぁ。

MP3データの管理なら、これらの3つ以外にも市販ソフトがたくさんある(歴史も長い)ので、こだわる必要もありませんが、こういう機能が(ほぼ)無償で手に入るのはユーザーにとっては素晴らしいことです。
自分はまだSSを使い続けるつもりですが、iTunesもしばらくはアンインストールせずに、HDD内に置いておこうと思います。 WMP10はビデオ系メインで。