後藤弘茂のWeekly海外ニュース:久夛良木氏のポジションがCellにもたらす影響
おそらく、久夛良木氏のCellコンピューティング構想にとって最初の障害は実はソニー・グループ社内だ。社内の各部署に、Cellの真価を認めさせて、Cellへの移行を促す必要がある。ソニーですら全社的にCellを使わない状態では、より大きな展開は望めない。Cellのサンプルが完成してからこれまでは、まさにそのフェイズだったと推測される。Cellのエヴァンジェリストが、社内へのCell認知を図っていたはずだ。そして、これまでは、拡大傾向にあった、久夛良木氏のソニー・グループ内での影響力が、こうした流れではプラスに働いていたと推測される。
だが、今回の人事によって、久夛良木氏の担当エリアは縮小し、当然、社内への影響力が小さくなることが考えられる。%
でも、一方で新CEOのストリンガー氏は、ゲーム事業の価値を高く評価しているので、コミットが後退することはないのではないかしらん。 新COOの中鉢氏もデバイス系出身なので、むしろ久夛良木氏としては話が通じやすいかもよ。
一方で、ストリンガー氏起用に対するこういう見方も。
ソニースピリットはよみがえるか 第17回~61年目をにらむ?、ソニーの経営陣刷新 - nikkeibp.jp
こうした経験から見れば、大胆な構造改革が、グループCEOとしてのストリンガー氏に課せられた使命と見える。いますぐ井原政権をつくり、“井原社長”がリストラを断行するよりも、外国人CEOが短期間で集中的にリストラを進めた方が社内からの反発も少なく、井原政権が長く続き得る。うがちすぎた見方だろうか。
実際、すでにこのような談話も伝わってきています。
NIKKEI NET:ソニー次期会長、日本の組織や業務「効率化余地大きい」
ソニーのハワード・ストリンガー次期会長兼グループCEOは8日、記者会見し、本社やエレクトロニクス部門など日本の組織や業務について「大幅に効率化する余地がある」と語った。
具体策として、米国の子会社などで導入した人事や経理などグループ企業に分散する機能を集約する手法が日本で適用できるかどうかを検討する。
確かに、日産の人も「ゴーンでなければあれだけのリストラは出来なかった」と言ってますし。 そういう面もあるのでしょうね(ゴン氏はソニーの社外取締役の一人)。
でも、個人的にはストリンガー氏(というか米国ソニー)のビジョンや戦略の方が、日本のソニー本社よりも優れていたので、そっちの流れで行きましょうということなんじゃないかと思うけどな。