ソニースピリットはよみがえるか 第19回~経営体制刷新の前、安藤国威社長がnikkeibp.jpだけに語った - nikkeibp.jp
かつてソニーは、奇人変人ばかりだった。その奇人変人の中でも、さらに尖がった人たちが集まる「奇人変人の会」もあったほど(笑)。もっともっと尖った人が入ってくるような企業でなくてはならないし、その人たちが住みにくくなったら駄目なんです。
いまソニーの問題点は何かと聞かれたら、答えは「優等生ばかりになってしまい、なんと生意気な社員ばかりが増えてしまったか」ということになる。ソニーというブランドの上にあぐらをかいて、実績もないのにでかい顔をしている社員がいる。
私の勤務先も、ソニーほどではないですが、昔はヘンな人が多かったです。 エキセントリックといった方がいいかも。 就職が決まった時に、「今まであの会社に行った卒業生もヘンなヤツが多かったからなぁ」と、まるで私も同類みたいな言い方をされて、不服でした。 実際、「よくこの人、社会生活送れているな」と思う人もいましたし。
でも、バブル崩壊後に入社してきた社員は、妙に物分りがいいというか、自己主張しない若者が多いような気がします(そのくせ面従腹背というか、なかなか本音を言わないんですが)。
会社は「なかよしクラブ」じゃなく、能力でどれだけ貢献できるかです。 無能な人格者よりも、「あいつとは友達になりたくないね。 でもあの腕はスゲエよ」と言われる人の方が、自分は評価します(性格がいいに越したことはないですが)。
若者よ、トンガらなければ、芽はでないゾ。
ソニースピリットはよみがえるか 第20回~経営体制刷新の前、安藤国威社長がnikkeibp.jpだけに語った(2) - nikkeibp.jp
「ソニーらしさ」を追求するという姿勢は、社員のすべてが意識しているし、頭に入れている。だが、この言葉に慣れすぎて、「陥穽」にはまることがある。本当に「ソニーらしさ」を理解した上でやっているのか? 人がやらないことといっても、それが本当に最先端分野のものなのか?
こうしたことの確認が疎かになることがある。その場合は、開発を諦めさせなくてはならない。前向きな議論を行うことで、「ソニーらしさ」という「陥穽」から脱却していかなければならない。
この「~らしさ」というのがクセものでね。 「~らしさ」というのは、他者が評価するものであり、それを自分が意識し過ぎるとかえって良くないと思います。 よく「自分らしさ」にこだわる人がいますが、どうしてもあざとく見えます。
「本当の自分」なんて無いし、「自分という現象」の積み重ねでしかない。 企業も同じ。 船が通った後に航跡ができるけど、その前にレールがあるわけじゃないんでね。