なるほど。 小寺氏は「ギター小僧」だったんだね。 そりゃテリー・キャスにグッとくるわけだ。
ITmedia D LifeStyle:音と歪みの、いい関係
音の歪みは、我々聴き手に何をもたらすのだろうか。BOSSの代表取締役社長 池上嘉宏氏にうかがってみた。
「オーディオで言うHiFiというのは、音としてはクリアになっているんですけど、僕のイメージでは奥行き方向へどんどん表現が深まっていく感じがあります。ですがギターアンプの場合は、音が前へ前へ飛んでくるというのが重要なんです。そのために歪み感というのは、非常に重要に作用する。オーディオマニアのかたはHiFiとして一生懸命やられてますけど、その一歩手前のレコーディングエンジニアは、実はそうでもないんですね。パワフルな感じを出すために、歪みを上手くコントロールしているわけです」(池上氏)
だが歪みの表現として、ボーカルを歪ませた例というのはないこともないが、定着するまでには至っていない。なぜ歪みはエレクトリックギターなのだろうか。
「エレクトリックギターの生の音というのは、ダイナミックレンジが広すぎて、平均音圧が低いんですね。いろんな楽器が混じったときに、自己主張、すなわち前面に出ようとすると、平均音圧を上げる必要があるわけです。そのときに音を潰してやると、自分の音がグッと前に出ることに気付いたわけですね。ある意味では、フロントマンになりたいという意識が、そういうものを産んだのではないでしょうか」(池上氏)
つまりギター音の歪みは、ギタリストの心の歪みから来ている(?)