ジョルカブは買ったときから改造されていたので躊躇なかったんですが、トランザルプは購入して7年間はエンジンオイルすら純正で全く弄っていませんでした。
それを改造するようになったのは、「もう年式も古いし、売っても二束三文だろうから、乗り潰すまで乗ろう。リセールバリューを考えないなら、どう弄ったっていいよね」と思ったからです。
そして、それは今回のVA100の改造にも当てはまります。
Auraのアンプは、あまり帯域を欲張らずどんな音も聴き心地良くまとめてしまう、というサウンドの特徴があります。 日常の中で音楽を楽しむにはもってこいなのですが、HiFi的な聴き方をしてしまうと解像度や鮮烈さに不満に感じることもあります。
今回の改造にあたって考えたのは、「いかにAuraサウンドの長所をスポイルせずに短所を埋めるか」です。 ”角を矯めて牛を殺す”ことになっては、元も子もありませんからね。
手を付けるポイントは、次の3つ。
1) ボリュームの交換
2) オペアンプの交換
3) 電解コンデンサの交換
1)については、こちらのページに触発されました。 あと、ロベルトさんのblogにも。 音の鮮度を上げたいと考えていたので、効果があるのではないかと期待しています。
2)は DI/Oの改造でも用いた手法です。 VA100にはNE5532ANとNE5534Nというオペアンプが使われています。 このオペアンプのキャラクターと、VA100のサウンドにはかなりの相似があるようです。 これらを、より音がいい(と言われている)オペアンプと交換すれば、よりHiFi度がアップするかもしれません。
ただ、オペアンプ変更は諸刃の剣であり、VA100が全く違う性格のアンプに変わってしまう可能性もあります。 それだったら別のアンプを買ってきた方が良い訳です。
3)はオーディオ機器の改造では定番と言ってもいいでしょう。 VA100は製造から既に10年以上経っています。 電解コンデンサの容量抜けしてないと思いますが、ついでにリフレッシュするのもいいでしょう。
この場合もサウンド・キャラクターが変わる可能性が大です。 オペアンプの場合は、ソケット化しておけば元のオペアンプに戻すことも可能ですが、コンデンサの現状復帰は困難です。
電解コンデンサ以外にスチコンなども使われていますが、交換対象からは外しました。
他にも抵抗を替えても音が変わるようですが、キャラクターまで変わってしまいそうなので止めました。
それでは改造前にVA100のオリジナルの状態を確認しておきます。 まずは全景から。
ボリュームは、ALPS製でした。 「220C -50KAX2」と印字があります。 ボリューム基板に一緒に載っているのは、テープモニターのスイッチ。
ノブを取って見たところ。 シャフトにはスプラインが切ってあります。 廻り止めの穴はシャフトの下側に。
ボリューム基板への信号線は、5芯の平行線。 青いリボンが繋がった金属製の細長い部品は、入力セレクタースイッチ。
この右奥のエリアはフォノアンプのようです。 NE5534Nが2個使われています。
ボリュームからの出力は、基板中央への配線で送られます。 プリ段に使われているのが、NE5532AN。
電源部のコンデンサは高さ35mmしかありませんが、それでも天板すれすれです。
基板左奥にも電解コンデンサがあります。
以上、現状把握でした。