需要と供給のバランスだけに左右される産業

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なぜ、マイクロソフトを選んだのか ~入社1カ月を迎えた樋口泰行COOに聞く - 大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」

--ダイエーは、樋口COOにとって、力が発揮できない企業だと判断したわけですか。
 
樋口 一般論となりますが、アドバンテージマトリクスのなかで、コモディティな小売業は、差別化できにくい業種であるといえます。需要と供給のバランスだけに左右される産業においては、企業の差別化策はゼロではないが、1~2%程度の差別化にしかならない。それで、収益が決まってしまうんです。小売業の差別化策には、生鮮3品やデリカといったものがありますが、この差別化だけで、他社との差を2~3倍つけるのは難しい。近くに店があるのに、何kmも離れたところから、たくさんのお客がやってきてくれるということは考えにくい。どうしても、近い店の方で買ってしまいますよね。だが、もちろん差別化していないわけではない。従業員を見ると、その差別化に向けて、無茶苦茶なほどにがんばっている。私の疑問は、そのがんばりが成功を許さない世界というのは、どうなのかと。経営層からそれを見ているのは、本当に辛いんですよ。自分の注ぐエネルギーに対して、どれだけの結果が出るのか。その点では、IT業界の魅力の方が大きい。もともとは、メーカー出身なので、製品で差別化できるという方が性格に合っているのかもしれませんね。

誰なんだろう?と思ってたら、林文子会長(元ビー・エム・ダブリュー(BMW)東京社長)と一緒にダイエー再建にあたった社長さんなんですね。
こんな外資系バリバリのタイプの人が、”主婦の店”ダイエーの中の人になるのは大変だったでしょうね。