東欧・ロシアに巨大な「中流階級」市場?

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東欧・ロシアに巨大な「中流階級」市場あり (御立尚資の「経営レンズ箱」):NBonline(日経ビジネス オンライン)

さて、こういった各世代のリーダーの方々にお目にかかることで、私自身、様々な面で蒙を啓いていただいたが、日本企業にとっての(ロシアを含む)中東欧の意味は、なんだろうか。欧州戦略を考えるうえでの「製造拠点」という意味ももちろんあろうが、最大のポイントは、登場しつつある巨大な「中流階級市場」だと思う。
 
メディアで取り上げられる同市場の姿は、往々にして新興企業オーナーを中心とする「スーパーリッチ」像か、民主化・資本主義化に取り残された「貧困層」かの両極端だ。しかし、ロシアを含む旧共産圏諸国には、EU(欧州連合)や米国をも上回る3億2600万の人口が存在し、そのうち約2億人は、月間の家計収入が米ドル換算で400~500ドルから1000ドル強の「中流」に属している。高い経済成長、西側諸国からの商品と情報流入を背景に、この「中流」層の購買力は今後ますます高まり、購買行動が次第に洗練されたものになっていくことは間違いない。

でもねー、家計収入が高くても同じくらい物価が高いんだよ。 モスクワの物価は世界一だというし。 アジア諸国とは単純に比べられないね。

世界で最も物価の高い都市はモスクワ、東京は3位に - ニュース - nikkei BPnet

ニューヨークを基準都市(指数100)とすると、モスクワの指数は123.9、ソウルは121.7、東京は119.1だった。以下、香港(116.3)、ロンドン(110.6)、大阪(108.3)、ジュネーブ(103)、コペンハーゲン(101.1)、チューリッヒ(100.8)が続く。ちなみに、生計費が最も低いのはパラグアイの首都アスンシオン(43.5)。
 
ほとんどの東欧都市は、現地通貨が対米ドルで安くなったため順位が急落した。一方、多くの米国都市は順位が上昇しており、これは欧州、カナダ、アジア太平洋諸国の通貨に対して米ドルが強くなったことが主な要因。中南米では、34位のサンパウロと40位のリオデジャネイロが、それぞれ119位と124位から急上昇した。

でも『この「中流」層の特徴の1つは、ローカルブランドを好むことだ』という指摘は面白い。

東欧・ロシアに巨大な「中流階級」市場あり (御立尚資の「経営レンズ箱」):NBonline(日経ビジネス オンライン)

例えば、独フォルクスワーゲンの「ポインター」、仏ルノー/ダチアの「ローガン」という2種類のクルマがある。どちらも、1万1500ドル前後の同価格帯だが、ロシア市場での販売台数はそれぞれ1700台、5万6000台と大きな差がついている。
 
チャネル政策など多くの要因はあるが、その最大の理由は、消費者が「どういうクルマと捉えているか」という点での違いにある。調査対象の消費者の多くが、ポインターに対して、「旧世代のクルマをベースにして、ブラジルや中国市場向けに作った代物」というイメージを持っている一方、ローガンに対しては「西欧モデルを、我々のニーズに合わせて作り直してくれた『我々向けの』クルマ」というイメージを持っていることが分かった。

日本車メーカーが北米や中国で成功したように、現地に合った最新モデルを、現地で生産する必要がありそうですね。