東芝、HD-DVD支持見返りに170億円提供

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NIKKEI NET(日経ネット):東芝、HD-DVD支持見返りに170億円・米メディア

ニューヨーク・タイムズは、パラマウントの親会社バイアコムの幹部の話として、パラマウント側が東芝から総額1億5000万ドル(約170億円)相当の「奨励金」を受け取ると報道。別のメディアはパラマウントが5000万ドル、同社と関係が深く同じくHD―DVDの単独採用を発表したアニメ映画大手ドリームワークス・アニメーションSKGが1億ドルをそれぞれ受け取ると報じた。

やるねぇ、東芝ちゃん。 全然悪いことでもなんでもないよね。

状況としては、徐々に両陣営の体力差があらわになってきたところだったのですが、早期決着を望まない勢力があるようです。

本田雅一のAV Trends

前述したインタビューにおいて、コンブロー氏はフォーマット戦争を継続したい理由を「2つのフォーマットが併存していた方が、機器メーカーによる競争で価格が下がり、消費者、映画スタジオ、流通の3者にとって都合が良いからだ」と話している。つまり、あえてユニバーサルがHD DVDを支持し続け、フォーマット戦争を維持した方が、プレーヤーが安くなり、それによって普及が加速され、機器メーカー以外にとってはハッピーであるというのである。
 
もっとも、コンブロー氏の発言は東芝にとっても良い話ではない。なぜなら、コンブロー氏は「現在、HD DVD市場は危機的な状況であり、ユニバーサルが両フォーマットをサポートすれば、HD DVD市場は維持できなくなる。だからこそ、HD DVD単独サポートを続けることでフォーマット戦争を継続させなければならない」と考えているからだ。
 
この発言の意味するところを整理すると、コンブロー氏は高解像度ビデオパッケージソフトの商機がまだ先であるため、今は両規格を煽ってプレーヤーの低価格化を誘導。200ドルを切って普及が始まるまで、フォーマット戦争を維持させたい。さらには、今のHD DVDは、自分たちの支えがないと維持できない状況と見ているわけだ。

今回のパラマウントの一件も、同様な考え方に基づいた動きなのかもしれません。

本田雅一のAV Trends 「パラマウントHD DVD独占供給の舞台裏」を各社に聞く

同紙の報道によれば、1億5,000万ドルはすべてが現金ではなく、現金および共同プロモーション、たとえばシュレック3のHD DVD版プロモーション費用をサポートしたり、キャラクタの使用権を購入する約束をするなどの組み合わせにより提供される。なお、この取引でパラマウントがHD DVDへ独占供給する期間は18カ月に及ぶため、BDがタイトルの売り上げで優勢な現状を考えればパラマウントにとっての足かせになる可能性があると、ニューヨークタイムスは指摘している。

パラマウントは「どうせ次世代ディスクが本格的に離陸するまであと2年くらいかかるだろう」と読んでいるのでしょう。 その間に両陣営を競わせてコストダウンさせようと。 HD DVDがたとえ敗れたとしても、最終的にはBD/HD DVD両用機で救済すればいいと。