しかし、この提携はインテルに幸福をもたらすものなのか。残念ながら、アップルが長期的に双方にとってメリットがあるようなつき合い方をできるとは思えない。「アップルは常に自社のことしか考えない、しかも短期的な視点で」と指摘するのは、米エンドポイント・テクノロジーズ・アソシエーツの共同設立者であるロジャー・ケイ氏だ。「結局、そのツケは自分たちに回ってくる。パートナーシップというものを分かっていないのだから」。
(中 略)
それにしても、最初の時点でなぜアップルに有利なルールに同意してしまうのか。シリコンバレーのある古株はこう答える。
「ジョブズ氏とテーブルを挟んで向かい合うと、彼とビジネスをするありがたい機会を与えられているという気になってしまう。“アップルはすごいぞ、一緒にやれば儲かる、だからここは譲歩してくれよ”と一気に畳みかけてくるのが彼の交渉術の極意だ」
成功のためには、悪魔に魂を売り渡してもいいと思う人は多いでしょうからね。 ただ、利用されて捨てられるパートナーの側にも、問題があると思います。
まだ続きます。
アップルの提携の歴史は、米マイクロソフト(MSFT)とは対照的だ。1970年代から1980年代初頭に、もし、マックOS(基本ソフト)をほかのメーカーにライセンス供与していたら、アップルはコンピューター業界を独占的に支配していただろうというのが、多くの専門家の見方だ。マイクロソフトはこのアプローチを採用した。その結果、パソコンメーカーや部品メーカー、ソフトウエア開発会社が何千社も集まる巨大なパソコン産業を作り出し、その頂点に君臨することになったのである。
アップルはと言うと、頑固なほどに1つのことにこだわり続けてきた。それは、最高の製品を作ることへの執念であり、ほかの会社とくっついたり離れたりして利益を得るようなやり方は二の次だった。「スティーブ・ジョブズ氏が最高の関係を築こうとしたのは、アップル製品の顧客とだけだった」と、ある古い仲間は指摘している。
水平分業が前提のMSの方が、提携上手なのは当たり前の話。
自分はMSもAppleもどちらもキライです。 結局は強欲で独占志向な、同じ穴のムジナだと思うので。