数日前と比べればいくぶん涼しいようですが、それでも直射日光の中の作業は結構キツイです。
いきなりコレ。 ボルト3本止めはいいとしても、六角ボルトの二面幅が9mmです。 慌ててスーパービバホームに買いに行きましたとさ。
HM製とは、遠心クラッチの形状がかなり違います。
バルブ径はIN23mm、EX20mm。 ビッグバルブ採用かと思っていたので意外。 二次クラッチ仕様のエンジンなんかだと、IN25mm、EX23mmというのも出回っているみたいです。 ヘッドの外観は同じなので、インテークポートの大きさくらいでしか判断できませんが。
遠心クラッチを取ったところ。 オイルポンプの形状が全く違います。
一次減速比は、残念ながら17T/69Tでした。
HM製では、カムチェインで駆動したスプロケットの回転を、スピンドルを介してエンジンの反対側にあるオイルポンプに伝達しています。
このエンジンの場合、一次減速ギヤの内側にオイルポンプ駆動用ギヤを配しています。
クランクシャフトをロングストローク化するためには、オイルポンプ駆動スピンドルは邪魔なので、この手法は理にかなっていると思います。
遠心クラッチの構成部品。 一番右のクラッチアウターに、一次減速のドライブギヤと噛み合うセレーションが切ってあります。 左から二番目のカラーの内側にも、クランクと勘合するセレーションがあります。
無変速エンジンの場合、シフトチェンジ時にクラッチを切る必要がないので、回転が上がれば繋がりっぱなしになります。 つまり、この遠心クラッチは有段変速エンジンには使用できません。 残念。
キックギヤやシフト関係のパーツが何もない、ドンガラであることがよく分かります。 一方で、ケース自体は通常の有段変速エンジンと同じみたいです。
ジェネレーター側はHM製とほとんど同じです。 専用工具も同じものが使えます。
クランクケースがなかなか割れなくて、苦労しました。 ケース内部のギヤは1組だけです(メイン27T/カウンター20T)。
ちなみにボア径は52.4mm。 これも意外でした。 武川やキタコの124ccキットだと、ボア54mm×ストローク54mmなんですよね。 趣味のエンジンですから、なるべくショートストロークにして、高回転・高出力を目指している訳です。
支那エンジンの場合はあくまで実用エンジンですから、ボアを小さめにして厚めのスカートで耐久性を確保。 そしてロングストローク化で、実用域のトルクを出す方向でしょうか。 正しい判断だと思います。
ボア52.4mmで排気量124ccなら、ストロークは57.5mmになるんですが、このエンジンは55.5mmです。 ということは排気量は120ccとなります。
オークションなどで124ccとして出品されていても、本当に124ccなのかはエンジンを開けてみないと分かりませんね。
クランクウェブの外径は96mmでした。 ピストンピンからピストン上面(フラット)までの距離は19.5mm。 Lクランクケース内側に、XT-9という鋳込み文字が見えます。
Lクランクケースに圧入されていたアルミ製のフタは、内側から叩いて取り除くことが出来ました。 これで変速ギヤの組み込みに支障がなくなりました。
続いてマニュアルクラッチのバラシに入りたいと思います。