米ワーナーがブルーレイに一本化

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NIKKEI NET(日経ネット):米ワーナー、ブルーレイに一本化・DVD規格争い、早期決着も

ソニー、東芝両陣営による新世代DVDの規格争いで、米映画大手ワーナー・ブラザーズは4日、東芝陣営の「HD―DVD」規格のDVDソフト販売から撤退し、今年6月からはソニー陣営の「ブルーレイ・ディスク(BD)」規格のソフトだけを販売すると発表した。米DVD市場で20%前後のシェアを持つワーナーの戦略転換で勢力図は大きく変わり、規格争いが早期決着する可能性も出てきた。

とうとう「山が動いた」感がありますね。

年末に出たBusinessWeekの記事どおりの展開になりましたね。

次世代DVD戦争、ソニー陣営がリード (BusinessWeek):NBonline(日経ビジネス オンライン)

勝てば、数十億ドルの市場を支配し、莫大な利益を手にすることになる。どちらの陣営も、大手映画会社の支持を奪い合ってきた。米タイム・ワーナー傘下のワーナー・ブラザーズ・ピクチャーズ(TWX)だけが、今のところ両方の規格を採用している。ワーナーをどちらの陣営が取り込むかによって戦局は大きく変わることになる。
 
ソニー、東芝両陣営とも、2008年1月7日からラスベガスで開催される「2008 CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」で是が非でもワーナーの支持獲得を発表したいところだ。目下、あの手この手の説得工作が続けられている。これまで勝負の行方は混沌としていたが、にわかにソニー陣営の優勢が目立ってきた。

パラマウントとドリームワークスが18ヶ月間のHD DVD支持を発表したとき、相当な額のリベートが支払われたという噂がありましたが、今回はどうなんでしょうね。

規格争いが過熱したのは、HD-DVD陣営がパラマウントとドリームワーク・アニメーションの支持を得てからのことだ。それ以来、両陣営がカリフォルニア州バーバンクのワーナー本社に通いつめている。
 
東芝のHD-DVD事業を統括する藤井美英氏は、夏以来3回渡米した(関係者談)。ソニーは、CMO(最高マーケティング責任者)のアンドリュー・ハウス氏が売り込みにあたっている。加えてハワード・ストリンガーCEO(最高経営責任者)が、ワーナーの親会社タイム・ワーナー(TWX)のリチャード・パーソンズ会長兼CEOとジェフリー・ビュークス社長兼COO(最高執行責任者)の2人を味方につけようと、個人的に働きかけている可能性も十分にある。
 
(中 略)
 
さらにハリウッドの内部関係者は、「東芝陣営がパラマウントとドリームワークス・アニメーションに1億5000万ドルという大金を支払ったことで、レースの様相が一変した」という。ブルーレイは何としても勝利を手にしたい。ワーナーの支持を得るためなら何億ドルも投じるだろうというのだ。

ソニーも松下もリベートには否定的でしたが、フォーマット戦争が長引いてクーポンや値引きの経費が膨らむことを考えると、お金で時間を買うという考え方もアリでしょうね。

さて、2008 CESでの藤井上席常務のリアクションが楽しみです。

米WarnerがBlu-rayに一本化。6月以降BDのみ発売

同社のBarry Meyer CEOは、方針変更の理由について「消費者の要求にこたえるための長期的な戦略上の決定。フォーマットの混乱が長期化することでハイディフィニションDVDが失敗してしまう。Blu-rayへの一本化が、市場の成功へつながるだけでなく、小売店やプロデューサ、そしてなにより消費者への利益につながると信じている」と説明している。
 
Warner Bros.の親会社Time WarnerのJeff Bewkes CEOは、「Warner Bros.は、2つのフォーマットを供給し、消費者の選択肢を提供してきた。次なる主要な選択肢はプレーヤーとドライブの価格下落に移った。シングルフォーマット化という本日の決定は、消費者とTime Warnerの双方にとって最適な選択だ」としている。
 
Warner Bros. Home Entertainment GroupのKevin Tsujihara社長は、「消費者は、明確にBlu-rayを選択した。この選択を認識することが、素晴らしいホームエンターテインメント体験を、より広い聴衆に提供するための重要な第一歩と感じている」と、消費者の選択の結果であることを強調。さらに「Warner Bros.は、東芝と非常に緊密にハイディフィニションメディアのプロモーションに努めてきた。彼らの多大な努力に敬意を表すとともに、将来異なるプロジェクトで協力することを楽しみにしている」としている。

ドライというかなんというか。 彼らにしてみれば、東芝に義理立てする必要はないのでしょうが。