道路と揮発油税をめぐる議論の駄目な例

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1リットル25円の値下げより1キロ25円の撤廃を (山崎養世の「東奔西走」):NBonline(日経ビジネス オンライン)

50キロ離れた所に自動車で行くと仮定してください。高速料金の基本は、1キロの距離について25円です。高速道路を利用すれば、今は、通行料金は1250円かかります。高速道路を無料にすれば、それがタダになります。時速75キロで走れば、運転時間も45分くらいで済むでしょう。かかるのはガソリン代だけです。高速道路の上は燃費がいいですから、1リットル10キロ走れます。ガソリンは5リットルで済みますから、1リットル150円として、750円がガソリン代になります。
 
一方、高速道路無料化が実現せずに、代わりに、ガソリン税が1リットル当たり25円安くなっていたら、どれだけコストはかかるでしょうか。その時は高い高速道路は使わずに、一般道路を50キロ走るとします。時速40キロで走ったとして1時間15分かかる計算になります。ガソリンはどのくらい使うでしょうか。
 
信号待ちや一時停止も多いでしょうから、燃費は低下します。仮に、高速道路より3割燃費が低下すると1リットル当たり7キロとなります。その場合、50キロを走るのに7.1リットルのガソリンを使います。1リットルのガソリンが125円に値下がりしているとすると、890円かかります。
 
ガソリンの値下げがなくてもガソリン代が安くなることもあり得るのです。でも、考えてみれば当たり前です。高速道路は、一般道路よりも燃費が優れているからです。交差点も信号もなく、渋滞もはるかに少ないからです。

先日の素晴らしい意見と比べると、山ちゃんの意見は道路族の詭弁と大して変わりません。
どこへ行くにも高速道路があるなら、こういう計算も成り立つのでしょう。 でも、一般ユーザーの年間走行距離のうち、高速道路の走行が何%を占めるというのか。 特殊な事例を、全体に拡大して適用してはいけません。