28万円カー「nano」登場の背景を考える - 材料で勝つ - Tech-On!
あれから4年---。Tata氏は発表会の席上,エアコンやラジオなどの機能をそぎ落としたスタンダードバージョンで,VAT(付加価値税)と輸送費を除いて1ラークを達成したとし,「約束は約束だ」(That's because promise is promise.)と語ったのである。抑揚のない静かな語り口ながら,強い意志を感じさせるスピーチであった。
またその言葉には,この4年間,世界の自動車業界の人々からバカにされ続けた,という忸怩(じくじ)たる思いが込められているようでもあった。後のメディアとのインタビューで同氏は,「あざ笑わなかったのは日産・ルノーのカルロス・ゴーン氏だけだった」(In all fairness,Carlos Ghosn has been the only person in the automotive area who has not scoffed at this.=THE TIMES OF INDEA 1月11日付け)と語っている。
先週までインドに出張に行ってきた同僚が今回宿泊したのは、デリーから少し離れたところにあるアパートメントだったのですが、周囲は戦後の焼け野原のようなバラックだったそうです。 写真を見せてもらいましたが、確かにすごい。 アパートの窓から水浴びしてたり、野糞したりするのが見えるのだとか。
四つ星ホテルはともかく、屋根があるのが当たり前と思っている人に、ああいう暮らしをしている人の気持ちは分からない。 それと同じで、安全装備や環境性能に優れた車を当然と思っている人に、「とにかくタイヤが四つと屋根があればいい」という気持ちは分からないよね。
もちろん「ナノ」が街を走り始めたら、定員以上乗って事故って死傷者多発なんていうことになるかもしれない。 だけど、選択肢は提示されるべきだと思うしね。
インドで二輪を売りまくっているホンダや、50%以上の四輪シェアを誇るスズキの社長から、「インドの人々の生活をラクにしたい」という発想がなかったのが残念です。