【MacBook Air分解その5】「外は無駄なし,中身は無駄だらけ」 - モバイル - Tech-On!
こうした構造に技術者たちは一様に首をひねった。キーボードを固定するネジなどは,上から押したときにたわまないようにするといった効果があるのかもしれない。それにしても,もっといい方法があるのでは。「私がこんな設計をしたら,社内で絶対通らないですよ」(技術者の一人)。「技術的にすごいと感じるところは一つもない。我々ならもっと安く作れる」(ある技術者)。MacBook Airの内部構成は,設計の未熟さを表しているのだろうか。
Appleにとってはアイデアとデザインが大事な訳で、そんな細かい作りこみなんて不要なんでしょう。
そう考えると、Appleもやっぱりアメリカーンな会社だということですね。
技術者たちは,このような構成になった一因を工場からのフィードバックがなかったことと見る。「日本のパソコン・メーカーでは,おかしな設計をすると工場から文句が出たり,コストを下げるために工場が独自の工夫を加えたりする。MacBook Airは,Apple社の言うとおりにそのまま実装したという印象を受ける」(ある技術者)。Apple社は,パソコンの製造を外部に全面的に委託している。今回分解した製品は,台湾HonHai Precision Industry Co., Ltd.が製造した可能性が高い(関連記事)。MacBook Airの内部構造は,この分業体制を反映したものといえそうだ。
今回の分解結果から判断できるのは,Apple社はハードウエアの設計の出来映えや徹底的なコストダウンに,さほど気を遣っていないことである。それよりも外観のデザインやソフトウエア,ユーザー・インタフェースなど,同社が得意とする側面に力を注いだのだろう。この姿勢は,iPodやiPhoneなど同社の他の製品にも共通すると見られる。MacBook Airの不可思議な作りは,ハードウエアの細部まで手を抜かない日本的なものづくりに対する,強烈なアンチテーゼなのかもしれない。
でもAppleが家電メーカーを標榜するのなら、いずれ手酷いしっぺ返しを喰らうことになるでしょう。