「円高=自動車産業へのダメージ」はもう古い話

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1990年代とは様変わりの円高景色 (池原照雄の「最強業界探訪--自動車プラスα」):NBonline(日経ビジネス オンライン)

1981年に日本メーカーで米国生産1番乗りを果たし、北米市場への依存度がトヨタ以上に高いホンダは、北米生産比率も8割と日本メーカーでは最高の現地化を進めている。依然として日本から輸出する車両や部品があるので、日本本社としては円高の影響は免れない。
 
ただ、すべてを円換算して集計する連結決算に表れる円高の影響を鵜呑みにすると、実力は過小評価ということになる(逆に円安時には過大評価)。ホンダ幹部によると、北米子会社群が決算を締めた後の純利益から、日本本社に送金するのは配当を主体にざっと2割程度という。
 
純利益の残り8割程度は米ドルや加ドルで子会社群に留保される。そして新工場や新車開発投資などへと振り向けられる。進出して日が浅い国ではこうはいかないが、進出先での事業が成熟していくにつれ、キャッシュフローは世界各地域で完結していくことになる。
 
海外の子会社にとっては為替変動よりも、むしろインフレによる資産目減りの方が怖い。それがグローバル化の一断面だ。
 
ホンダは地域別営業利益の約半分を北米で稼ぎ出している。このため、業界では為替変動が最も株価に敏感に反応する銘柄となっている。実際は円ドルレートの変動に最も揺らぎが小さい体質となっているのがホンダである。ここ10年で連結決算がすっかり定着したが、市場ではそれは円換算という「仮の姿」ということが忘れられやすくなっている。

春闘では日本の単独決算を元に一時金が決まるので、円高で目減りした分、日本の従業員の手取りも減りますね。

同じように輸出比率が高いマツダは、現地生産が少ないからホンダよりも為替の影響を受けやすいかもね。 でもマツダは北米より欧州で強いから、ユーロ高は変わりないので影響はないでしょう。