ITmedia エグゼクティブセミナーリポート:日本車メーカーは“世界最強”であり続けられるのか?- ITmedia エグゼクティブ
三沢氏によると、新車の開発ライフサイクルは自動車メーカーの業績と密接な関係があるという。市場が成熟し、競争がさらに激化する中では、開発ライフサイクルが短期化するほど消費者の購買意欲を刺激でき、売上を伸ばすことができるからだ。逆に、開発ライフサイクルが長ければ、「販売推奨金をインセンティブにしなければ売上が期待できず、その結果、自動車メーカーの利益が圧縮されることになる」(三沢氏)。
かつて、自動車産業で圧倒的な存在感を誇っていた米国の自動車メーカーが競争力を失ったのも、開発ライフサイクルの視点からその理由を説明できるという。 2003~2007年において1台の新車がショーウィンドウに陳列される、いわゆる“旬の期間”をみると、ゼネラルモーターズ(GM)の自動車が3.1年であるのに対して本田技研工業の自動車はわずか2.1年足らず。必然的に米国メーカーは値引き販売を迫られ、得られる利益は低く抑えられる一方で、日本車メーカーは値引き販売を避けることで十分な利益を確保でき、かつ、シェアを伸ばすことに成功したというわけだ。
“世界最強”なんて誰も思ってないし、実際に“世界最強”じゃないけどね。
すぐに陳腐化する新車がいいかどうかは置いておくとして、開発リードタイムが短い方が競争環境の変化やユーザーニーズの移り変わりに対応しやすくなるのは確かだね。
「ソフトウェア産業の全売り上げに対する研究開発費の比率が15%であるのに対して、自動車産業の比率は4%に過ぎない。自動車はもはや電子機器の塊と言っていいほど。この比率が適正か否かを今後、見極める必要があるだろう」
ホンダの場合、昔は研究所の費用は売上高の5%と言われていましたが、今はどうなんでしょうか?
ただ、労働集約型で設備産業の自動車業界は、大手でも売上高利益率が一桁なので、研究開発費だけを突出させる訳にはいかないです。