高橋和尚の人生相談

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1:「負け感」からの出発:NBonline(日経ビジネス オンライン)

高橋 さっき言ったように、趣味は、究極的に突き詰めていけば、ほかに広がらないと思うんです。
 
趣味はやっぱり、職業にしないところが本当のよさだと思いますし。そもそも趣味を職業にしている人はいないですよね。
 
―― え、たくさんいると思うのですが。アニメだって趣味といわれる分野ですよね。
 
高橋 だって、趣味は突き詰めていくと、自分にしかわからなくて他の人にはわかりにくいということになりますよ。

深いね。 押井守がようやく理解した境地ですが、和尚にとっては当たり前のことです。

他にも名言多数。

高橋 いや、他人から勝ったか負けたかを決めてもらおうとするから、「負け感」が出てくるんだと思いますよ。

自分の外側に尺度を置いて、それで測ろうとするからそうなってしまうということです。

高橋 でも、そこが「社会」が仕掛けてくる呪縛なんですよ。呪縛というのは、他人に強制されるよりも、自分で作ってしまっていることの方がずっと多いんです。
 
―― 呪縛は自分で作っている……。それは考えたことがなかったです。しかもその呪縛は「社会」が仕掛けてくるものなのですか。
 
高橋 自分なりの幸福をつかもうと思ったら、自分が作っている呪縛から逃れることが重要で。自分を縛る呪縛は何なのか、呪縛の正体を知ることが大事だと思います。

国家権力は言うに及ばず、企業もマーケティングの名の元に呪縛を掛けてくる訳です。

2:「おまえはスゴイ!」に潜む罠:NBonline(日経ビジネス オンライン)

高橋 例えば、100点を取ると、「お前は100点取って偉い」と言われるとしますよね。……その、100点取って褒められることの中に何か罠が潜んでるような気がしません?
 
(中 略)
 
会社だって、営業成績とか、同じ部署で競わせるようになっていたりするでしょう。それは誰かが作った「100点」の基準をみんなが目指すようにし向けているんですよ。絶対、誰かが誘導したいという思惑があって褒めてるわけですよ。

だいたい親が「○○ちゃん、よく出来たわね~」とか小さい頃から言ってるのも同じようなもんですね。
会社だって、上位下達で文句も言わずに働いてくれる社員が一番いい訳で、入社した時からそういう方向に誘導してきます。

高橋 組織というのはどこかでもって、必ず他者からの評価を軸に持っている構造です。いい悪いではなくてね。だから、そういう組織の価値観に対して、「絶対の価値」を置かないということを、自分の中でいつも覚悟しておかないと、組織とは付き合っていかれないですよね。

とはいえ会社の価値観と距離を置いて仕事するというのは、なかなか勇気がいることです。 言うだけの「結果」は出さなきゃ相手にしてもらえないし。
結局は自分(だけ)の武器を磨いて、組織や社会と対峙するしかないですね。