asahi.com(朝日新聞社):自分の柔道は、戦い 孤高の寂しさ胸に秘め 石井21歳 - 北京五輪2008
そり上げた頭に細い目を光らせる若者は、徹底した勝利へのこだわりを突き刺すような言葉で口にしてきた。
「美しい技がいいのなら、体操競技にいけよ」
「柔道はルールのあるけんかだ」
斉藤仁監督は「あいつの目は土佐犬のようにギラギラしている」と言う。殺気立つ野武士の空気を身にまとう。
試合を終えた石井は言い放った。「自分はスポーツをやっていない。戦いだと思っている」。不振続きの男子陣に最も足りない気迫を、日本柔道界の異端児が示して見せた。
個人的には、石井選手は好きではありません(試合中は応援しましたが)。
でも確かに最近のスポーツ選手は、優等生的な考えや受け答えをする人が多過ぎるような気がします。 ちょっとでも不適切な発言をすると、ネットやマスコミで揚げ足を取られるからなんでしょう。
優等生で好成績を挙げられるならそれが一番ですが、闘争心をスポイルしてしまうようでは意味がありません。 柔道のような格闘技ではなおさらですね。
宮本武蔵だって、若いころはとんでもない悪童だった訳で、石井選手も「金メダル後の苦しい4年間」が彼を磨くことでしょう。
[北京五輪的日報] 塚田真希の涙。 - goo スポーツ:NumberWeb
大粒の涙をしきりにタオルでぬぐいながら、塚田は敗北を毅然と受け止め、質問になんとか答えようと言葉を絞り出す。
それは、取材陣、周囲のスタッフ、あるいは応援してくれる人々、誰に対しても常に笑顔で誠実に接する塚田らしかった。その人柄と、勝負への潔さ、精進の様が、塚田が誰にも愛されてきたところだった。
手も足も出なかった格上の相手に、必死に対策を考え練習を重ねてきた。それは試合のほとんどの時間、成功していた。
最後の最後だけ、踏ん張れなかった。それが実力の違いということなのかもしれない。
でも。
勝たせてやりたかった。
それにしても、塚田選手は惜しかったなぁ。 迸るような気迫で、相手を圧倒していただけにね。 相手を褒めるべきでしょう。
五輪前に「一本よりポイントを取る柔道を」という話もありましたが、結果的には金メダルを取ったのは一本が取れる選手ばかりでした。 「柔道の国際化」を主導してきたフランスが、金メダル0個というのが象徴的です。
谷選手もあれこれ考えないで、一本を取りに行く柔道をしていれば、指導で敗退なんてことにはならなかったと思います。
アテネ組も大半が引退し、次回は大幅に顔ぶれが変わることでしょう。 世界が驚嘆し、憧れる、強くて美しい柔道を継続していってほしいと思います。