デバイス事業を持つのは強みか?

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東芝が5年ぶりの上期営業赤字へ、半導体事業が不振 | Reuters

東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)は19日、2008年9月中間期の連結営業損益を300億円の赤字とする業績予想の修正を発表した。従来予想700億円の黒字に対し、1000億円の減少となる。上期の営業赤字は5年ぶり。
 
半導体事業の不振が、全体の業績の重しとなった。半導体事業では、NAND型フラッシュメモリーの価格下落や民生機器向けシステムLSI需要の減少があり、売上高と営業損益が大幅に悪化。同事業の08年9月中間期営業損益予想は、従来予想から980億円の落ち込みとなる680億円の赤字とした。会見した村岡富美雄・代表執行役専務は「事業環境が厳しく、早期の回復は見込めないと判断せざるを得ない」と述べた。

東芝はHD DVD撤退時に、「HDDとフラッシュメモリー事業を持つ強みを生かしていく」と言っていましたが、実際はHDDでもNANDフラッシュでも作ってるメーカーは赤字のところが大半です。 数量は伸びていても、価格の下落スピードが速すぎるんですね。

HDDやフラッシュメモリーの応用製品を作るのに、内製してるから有利というのは、需給が逼迫しているとき以外はほとんどないでしょう。 要は使いこなしや提案性の問題。 デジカメのCCD/CMOSだって、ソニーが有利かというとそんなことはないでしょ? インターフェースが標準化されているHDDやフラッシュメモリーなら尚更です。

東芝の持っている基礎技術が素晴らしいのは確かですが、事業として生かされているかというと大いに疑問符が付くところ。 日立(ここもIBMからHDD事業を買ってますが赤字続き)共々、総合電機という形態にムリがあるんじゃないのかな?

ところでこんなニュースも。

東芝 営業赤字300億円 上期「黒字700億円」一転 半導体事業が不振(フジサンケイ ビジネスアイ) - Yahoo!ニュース

東芝の半導体をめぐってはさらに先行きを不透明にしかねない状況が生じつつある。NAND型フラッシュの開発・生産の提携先である米サンディスクがライバルの韓国サムスン電子から買収提案を受けており、事業の拡大シナリオが暗礁に乗り上げる可能性が出てきたためだ。
 
サンはNAND型の重要な特許を保有し、サムソン傘下に入れば東芝の特許使用料や設備投資に多大な影響を与えるのは必至。サンは現在のところサムスンの買収提案を拒否しているが、東芝の半導体事業の根幹を揺るがす事態になりかねない。東芝は業績悪化の中、新たな難問を突きつけられた格好だ。アグレッシブな経営で評価を高めた西田厚聡社長の経営手腕が問われている。

東芝はNAND型の特許を1千件以上持っているそうです(一時、HynixやLexar(Micronの100%子会社)と係争してましたね)。  どこか1社が独占というのは好ましくないので、互いに競争して技術革新していってほしいものです。