【エコカー】 トヨタが狙う“第2のプリウス” 「小さい」環境価値は根付くか:NBonline(日経ビジネス オンライン)
iQは、車内空間の確保に加え、後方を含め9つのエアバックを標準装備し、遮音性のあるガラスで静粛性を高めるなど、安全性と快適性に配慮している。また、高効率の新型CVT(無段変速機)を開発、車内照明に省エネ性の高いLED(発光ダイオード)を採用するなど、軽自動車を上回る燃費性能を実現した。
こうした高機能化により、価格は140万~160万円(北海道・沖縄を除く)と、同じ排気量1000ccの『ヴィッツ』や軽自動車に比べ、30万~40万円程度高い。排気量は軽自動車の規格である660ccを超えるため、税制優遇はない。
iQを見たホンダのある幹部は、「このサイズで税制優遇がないなら、絶対に売れない」と断言する。
確かにフットプリント(占有面積)で課税額が変わるならともかく、小さいことはユーザーとってメリットよりデメリットの方が多いからね。
でも消費者のニーズは多様なので、「軽やパッソじゃ安っぽくてイヤだけど、足代わりだから小さいクルマで十分」という人もいると思います。
欧州への輸出は、円高ユーロ安で(いくらプレミアム狙いとはいえ)競争力が削がれたでしょうが、他にライバルがいないので国内ではそこそこ売れるとは思います。
何度も書いていますが、「小さい」ことだけでは自動車としての環境価値はほとんどないです。 単なるエコカーとしての記号性だけです。
「エコカーに乗ってるんだぞ」というユーザーの満足感をくすぐる為にもイメージは大切ですが、「軽くて燃費がいい」ことが本当の環境価値でしょう。
全長2,885mmの「iQ」の車両重量は890kgです。 全長3,885mmのデミオは990kg(13C 4AT)。 同じく全長3,900mmのフィットが1,010kg(1.3G FF)。 「1m短くて100kg軽い」というのは、立派な数字だと思います。
全長3,630mmのパッソ(1.0L)は920kgで、その差は0.75mと30kg。 パッソは”素うどん”みたいなものなので、装備が違う「iQ」と比べるのはフェアじゃないかも。 でも、「iQ」のパッケージングでは9つのエアバッグを使わなければ安全性を確保できないのも事実な訳で、軽量化だけを考えれば「iQ」は小さくし過ぎなのかもしれません。
そうなると「iQ」で開発した技術を使われるであろう、次期ヴィッツが楽しみですね。