ビッグ3を潰したのは米政府

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明日はわが身か、ビッグスリーの低迷(08/12/02) | NIKKEI NET 日経Ecolomy:連載コラム - 2010年に生き残るクルマ(舘内端)

リンダ・マクウェイグ著「ピーク・オイル」によれば、SUVは米国内でさまざまな恩恵を受けてきました。たとえば1975年に導入された企業平均燃費規制(CAFE)もSUVには適用されず、その上90年に40%強化されるはずの法案もロビー活動によって否決されています。しかも、6000ポンド(2718kg)以上のSUVは燃費規制を免れるのです。
 
税金の免除も受けています。企業で使う自動車には自動車の費用が控除されますが、トラックや商用車と同様にSUVも最大で3万8200ドルが控除されます。また、3万ドル以上の自動車への贅沢税もSUVは例外扱いです。
 
SUVに対して、米国の政府は環境と税金の2面で得点を与えていたということです。それは、米国の政府とビッグスリーは、地球温暖化と石油需給のひっ迫に無関心どころか、それを促進するような施策と戦略をとったということです。環境対策、エネルギー対策を欠いた結果が、今日の米国とビッグスリーの姿ではないでしょうか。

結局、破綻するべくして破綻したということなのでしょう。

ところで

たとえば給付金2兆円の使い道ですが、これを電気自動車普及のための補助金に使うと、200万円の補助金を100万台分用意できます。電気自動車の開発を促進するだけではなく、大量生産にゴーサインが出せる結果、大幅なコストダウンと品質の安定が可能になります。この2つこそ電気自動車普及の最大の難関なのですから、それを可能にできれば日本は一気にデファクト・スタンダードを獲得することができるでしょう。電気自動車で世界の覇権が握れます。
 
そして、リチウムイオン電池を初めとして、電気、電子等、多くの分野への波及効果もあり、雇用の拡大も可能です。ハイブリッド車の普及が10年で約100万台だったことを考えると、大変に効果的な施策ではないでょうか。
 
しかも、2兆円の補助金が不要になるかもしれません。100万台に補助金が出るとなれば、大量生産が可能になって車両価格はおそらく100万円の後半になるでしょう。電気自動車の維持費の安さ(60銭/km)を考えれば、この価格は普及を大いに促進させます。つまり、補助金がなくとも売れるのです。2兆円は見せるだけでよいのです。100万台分の補助金を政府が保証するだけで、実際の資金は不要なのです。

なんか最近はお金の金額に麻痺してきたみたいですが、昔は防衛費が1兆円越えるかどうかで大揉めしていたんですよね。