【時代のリーダー】豊田英二・トヨタ自動車会長:日経ビジネスオンライン
英二が社長になってびっくりしたのは、当たり前のことだが、周りの人が社長として扱うようになったことだという。しかも周りは副社長より社長が偉いといった目で見る。それまで英二は「社長は経営者の中で年長の人がなればいい。実質的には社長も副社長も同じ」といった考えを持っていた。
この考え方は今なお変わらない。世間常識的には、副社長より社長が上で、その上にいるのが会長ということになるが、英二は社長時代、会長に斎藤尚一、次に花井を据えた。いずれも副社長からの抜てきである。2人とも英二と苦労を共にして、トヨタ発展に尽してきた。英二は会長にすることで二人に報いた。英二の情の厚さを物語る人事で、花井は「うちの序列は社長、会長の順」と広言してはばからなかった。
その英二はいま会長の座にある。英二の言わんとすることは「経営者の力はポストや肩書き、いわんや同族でもなければ閨閥でもない。本人の力量いかん」ということである。
今から24年も前の記事ですが、まるで豊田章男新社長への餞のような言葉ですね。