【ケーススタディ】ノウハウを形式化,仕組み化した日産自動車 - PLM - Tech-On!
熟練者が持つノウハウを形式知化してITシステムに盛り込み,他のメンバーにそれを利用できるようにして業務の底上げを図る試みがさまざまな企業で進行し始めている。ノウハウといっても,意外と単純なものをシステム化することでも,かなりの成果を得られるようだ。例えば部品のどこを正面としてとらえるか,基準をどこに置いてものを考えるかなど,熟練者が何気なく処理していることが形式知化の対象になる。
そうかもね。 あと寸法を追う基準をどこに置くかとか?
その一例ですが、
そこでノウハウの一般化,使える化を図った。例えば治具の3次元モデリングに関して,ベテラン技術者が無意識に行っていることは何かを分析(図)。治具部品を配置するとき,部品によって配置する基準座標を変えていることが分かった。ワークに触れる部品はワーク基準で配置,その他の部品は治具本体基準で配置していた。
その結果,標準部品を保存する際の向きや保存位置基準を定義し,向きと基準点を形式知化した。ベテランの技術者何人かと話し合って,どういった座標系が最低限必要なのか,またそれらの座標系はそれぞれどのような位置関係にあるかを調べ上げて基準化し,六つの座標系に整理した。
考えずに無意識にやってることを明示的にするのって、時間が掛かるし面倒だしで、あまりやりたくないんですよね。 分かってる本人にとっては当たり前のことだし。
でも改めて明文化することで、熟練者も頭の整理が出来るというメリットもあります。
不況で仕事がない今だからこそ、こういう取り組みを地道にやっていくのがいいんじゃないかな?