北米ホンダ、成功体験が在庫調整の遅れに

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ホンダのアキレス腱:日経ビジネスオンライン

今年3月末の在庫日数は、トヨタの64日、日産の62日に対して、ホンダは92日と突出している。北米は、2008年3月期にホンダの連結営業利益の5割近くを稼ぎ出した大黒柱であるだけに、問題は深刻だ。
 
(中略)
 
「米国では、ホンダのブランド、商品、販売力が極めて強く、在庫調整は段階的になった。工場の長期休業を決めた欧州とは対照的だ」(UBS証券の吉田達生シニアアナリスト)

過去の成功体験やブランド、商品力への過信が、過剰在庫を引き起こしたのだと思います。

日本メーカーの北米事業部は関東軍とも揶揄されていて、「おれたちが大半の利益を稼いでる」との自負心が強いですからね。 日本の本社のコントロールが利かない(あるいは日本に正しい情報が伝わらない)ということも多いのでしょう。
トヨタが中部国際空港に転出した重役を引き戻して北米担当に据えたのも、その辺りの事情が影響していそう。

では、ホンダの米国の在庫問題は致命傷になるのでしょうか?

意外なことにアナリストの間では楽観論が根強い。「ホンダの在庫は今後売れる可能性が高い低燃費の中小型車が多く、心配していない。トヨタと日産は、トラックやSUVなど売りにくい在庫の比率が高い。中身が違う」とJPモルガン証券の中西孝樹シニアアナリストは見る。「(ホンダの在庫には)リスクもあるが、需要回復時の機会損失は少ない」とUBSの吉田氏も不安視していない。
 
1台当たり最大5000ドルで検討されている補助金の対象になりそうな低燃費車の在庫が、ホンダには多い。シビックとフィットの在庫は100日を超えるが、補助金が定額の場合、高級車よりも値引き率が高い低価格車は売りやすい。

市場が回復した際の機会損失が少ないといいたいのでしょうが、そううまくいけばいいですけどね。