ウィッシュの「バルブマチック」、実はスロットル弁にある程度の役割 - クルマ - Tech-On!
スロットル弁の機能は二つある。バルブマチックのみで吸入空気量を制御すると、吸気管負圧がなくなる。ところが排ガスをきれいにし、燃費を向上させるという要求に応えるためにはどうしてもEGR(排ガス再循環)が必要になる。EGRを導入しやすくするためには吸気管負圧を積極的に使った方がよいので、スロットル弁を少し絞る。
もう1点、バルブマチックのみではアイドリング時に吸気量を絞り切れない。バルブマチックのリフト量は最小で1.0mm。無負荷で1300~1400rpmに相当する量の空気が入ってしまう。最小リフト量をValvetronicのように0.3mmにすればスロットル弁を全開にしたままアイドリングできるのだが、リフト量のバラつきをかなり小さくしないと、気筒によって発生トルクが変わり、回転ムラが出てしまう。例えばリフト量が0.1mmバラついたとすると、1.0mmのリフト量に対しては1/10のバラつきに過ぎないのだが、0.3mmのリフト量に対しては1/3のバラつきになってしまう。バラつきを減らしながら最小リフト量を下げるのにはコストがかかるので、スロットル弁を絞ってアイドリング回転数まで下げた方が有利という判断だ。
スロットル弁なくしちゃうとアイドリングしなくなるというのは有名な話だもんね。 キャブレターからインジェクションに変わろうとも、「いい塩梅に」制御してくれるスロットルの役割は変わらないようです。