米自動車コンサルティング会社カセサ・シャピロ・グループ(ニューヨーク)のマネジングパートナー、ジョン・カセサ氏は、フィアットによるクライスラー買収について、「この買収は救済と言うよりすでに沈没した船を回収するようなものだ。引き揚げた沈没船から何が出てくるかはまだ分からない」と語る。
言い得て妙だね。
とはいえ、クライスラーの「宝」ってなんだろう? ブランド力? 販売網? 商品の企画・開発力? 生産拠点? どれもパッとしないんですが、マルキオンネCEOには見えているのかな?
結局は魅力的な商材(クルマ)が用意できるかどうかにかかってくるわけですが、
フィアットの広報担当は、同社がフィアットのブランドを掲げてクライスラー販売店網で販売する予定の車はフィアット500のみだと語る。(中略)
装備の充実したフィアット500の価格は、ドル換算で2万4000ドル(約240万円)以上する。これは、米国で高収益を上げているミニと同様な価格帯であり、同車はフィアット500と同じような小型車でありながら、中型車である現在のホンダ(HMC)の「アコード」やトヨタ自動車の「カムリ」並みの価格で市場に受け入れられている唯一のブランドだ。
フィアット500は魅力的なクルマだとは思うんですが、ボリュームがそれほど出るとは思えません。 PTクルーザーの再来にはなれないんじゃないかなぁ?
日産再建のとき、ゴーン氏は売れる資産はなんでも売りました。 フィアット再建のとき、マルキオンネCEOにはGMからの手切れ金がありました。 でも破産したクライスラーは、負債は棒引きしてもらえましたが、売却できる資産もありません。
フィアットはクライスラーとの提携で現金は使っていません。 でも今後クライスラーで損失が発生した場合は、当然フィアットにも影響が及びます。
「フィアットの自動車部門を分離して、クライスラーと合併させて上場する」というシナリオがささやかれていますが、果たしてうまくいくのでしょうか。