小泉劇場 最終幕

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asahi.com(朝日新聞社):衆院解散・総選挙へ 8月18日公示、30日投開票 - 政治

衆院は21日午後の本会議で解散された。政府はただちに臨時閣議を開き、総選挙の日程を「8月18日公示、同30日投開票」と決めた。

衆院解散 バンザーイ! ワショーイ! という訳でもありませんが、一言。

2005年の郵政選挙で大勝した小泉純一郎が、やろうと思えば誰も反対しなかった自民党総裁任期を延長しなかったのは、なぜだったんでしょうか?

政治生命を掛けた郵政民営化が成ったことで、燃え尽きたというのもあるでしょう。 でも、「政治とは権力闘争だ」と言い切る小泉が、自分が降りたあとの「抵抗勢力の巻き返し」を予見していなかったとは思えません。

院政を敷くのは美学に反するとしても、抵抗勢力に屈しない政治信念を持った後継を指名してもおかしくないのですが、実際は安倍晋三という青二才を支持した訳です。
結局、安倍は首相に就任してからわずか2ヶ月で、郵政造反議員を復党させました。

小泉構造改革路線に批判的な抵抗勢力は、小泉退陣後に急速に活発になりました。 構造改革路線に引っ張った振り子を、急に手を離したら逆に振れるのは道理です。 派閥中心、長老による密室政治、族議員による利益誘導など、有権者には半年もしないうちに古い自民党に逆戻りするように見えました。 相次ぐ閣僚の不祥事などもありましたが、小泉が「ぶっこわす!」と叫んだ「古い自民党」への回帰が、参院選での与党の大敗につながったのだと思います。

自民党の抵抗勢力には、「古きよき昔に帰りたい」という気持ちが強かったんじゃないでしょうか。 でも小選挙区制の導入で派閥の力は弱体化しましたし、経済のグローバル化は今後も進み「一億総中流」、「年功序列で全員正社員」なんて時代は帰ってきません。 ノスタルジーに浸ってる場合ではないのです。

私自身もそうですが有権者だって、構造改革がいいことばかりとは思ってなかったと思います。 ただ、バブル以降停滞する日本の状況から、やっぱり何か変えていかないとダメなんじゃないか、と思って支持したんだろうと思います。


で、話は小泉に戻りますが、こういう行く末を実は予想しつつも、権力を放り出したんじゃないかと思う訳です。 古い自民党を、55年体制を最終的にぶっ壊すために。 本人はそれを見物しながら悠々と引退していく訳ですね。