日本では、どの程度住宅ローンの延滞が増加しているのか、それは金融システムや経済全体の動きに影響を及ぼす程度なのかなど、問題の大きさを把握することは容易ではありません。なぜなら、住宅ローンの返済の滞りを端的に表すデータが存在しないからです。 (中略)
結論から言えば、日本では家計や生活への影響が深刻になる可能性は大きい一方で、金融システムや経済への影響については米国に比べ限定的だと考えられます。その理由は、日本では米国に比べて住宅ローンのリスクを借り手が被るようになっているからです。
米国ほど杜撰な与信はしてないでしょうが、日本は働いている人の貧困率が高まっているそうですし、冬のボーナスはかなり厳しい状況なので、住宅ローンを返せなくなる人は増えることでしょうね。
経済協力開発機構(OECD)は2009年雇用見通しの中で、働いているにもかかわらず貧困状態の世帯が貧困世帯の8割以上を占め、OECD加盟諸国平均の63%を大きく上回っていると指摘しています。また、日本は職に就いている人が最低1人以上いる家計に属する人の11%が貧困であるとも指摘しています。リタイア後の心配どころか、現在を生きるのに精いっぱいの人たちが多くいるということのようです。
つまりは「ワーキング・プア」ということなんでしょう。
子育て支援も確かに大事なんですが、民主党政権には「ワーキング・プア」の解消にも取り組んでほしいです。 最低賃金を少しくらい上げたからといって、何の解決にもなりませんよ。
冬のボーナス 下げ幅最大 : 金融ニュース : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
大手企業の今年冬のボーナスは、昨年冬と比べて13.1%減となっていることが民間の調査機関「労務行政研究所」の集計で分かった。冬のボーナスだけでみると、下げ幅は1970年の調査開始以来、過去最大。夏を入れても、今年夏の14.4%減に次ぐ、2番目の下落率となった。
製造業が16.1%減と大きく下がっており、昨年秋以降の不況の影響が、製造業を直撃していることがうかがえる。
製造業は円高でますます冷え込みそうですしね。
自動車業界に残る金融危機の深い傷跡 系列別部品メーカー大幅減収が決算書で浮き彫りに:株/FX・投資と経済がよくわかるMONEYzine
そのデンソーを含め、アイシン精機、豊田自動織機、ジェイテクトなど、トヨタ系列の部品会社13社合計ではなんと、2兆6000億円を超す売上ダウン。増収だったのは自動車組み立てが主力のトヨタ車体のみだった。
2兆6000億円の減収は、国内のセブン-イレブンの店頭売上がほぼ消えてなくなったことを意味する。トヨタ系13社合計の最終損益も、約6000億円の黒字から1600億円を超す赤字に。最終黒字は豊田合成や小糸製作所など4社にとどまった。
トヨタ本体の売り上げが5兆円減っているので、協力部品メーカーもそのくらい減るでしょうね。 結果的には従業員の給与、賞与に影響して、国内消費の冷え込みにつながるわけです。 景気が底を打ったなんて幻想だと思いますよ。
元の記事に戻ると、
負担割合が高まった2001年度以降について、先ほどの延滞率の推移のグラフ(図2)をみると、2001年度には1%程度だった延滞率が最近では3%台半ばにまで上昇しています。貸出条件緩和債権(※)を含めたリスク債権比率については、2001年度は2%台であったのが、最近では8%台に達しています。全体を把握するには限界のあるデータですが、これだけの上昇は住宅ローン返済が困難になっている世帯が増加していることを示していると言っていいでしょう。
でも、価格が下がって買いやすくなったというので、マンションなんかは売れ始めているみたいです。 潜在的な需要はあるということなんでしょう。
米国のサブプライムローンは、ノンリコースローンの割合が高くなっています。ノンリコースローンの場合、住宅が差し押さえられれば、持ち家は失っても、住宅ローンの残額はゼロになります。しかし、日本の住宅ローンは通常のリコースローンです。住宅が差し押さえられても、その価格がローンの残額を下回る場合は、差額は引き続き借金として残ります。
日本では、住宅の価格は一度住むことによって大幅に下がります。現状のような経済状況では不動産・住宅価格は低迷し、持ち家を失っても、多額の借金を抱える可能性があります。場合によっては自己破産を選択せざるをえなくなる場合もあるでしょう。
日本の場合は借主が死なない限り、住宅ローンはなくなりません。
万一手放さなくてはならなくなったときを考えると、リセールバリューが高い都心のマンションの方がいいのかもしれませんね。