自動車メーカー 中間決算まとめ

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トヨタ「選択と集中」加速 業績上方修正(産経新聞) - Yahoo!ニュース

しかし、日産の見通しが黒字化したのと対照的に、依然として赤字。その点を聞かれると「他社とは車種構成の違いもある」と説明するにとどまったが、業界関係者からは「ホンダや日産に比べ、生産拠点の再編や移管が遅れている」との指摘が上がっている。(中略)
 
一方で仕入れ先などから設計変更など延べ3万件の提案を集めるなど、原価低減活動を加速。今後は低燃費志向の高まりで、利幅の薄い小型車の需要が世界的に高まるとみられるため、より徹底した原価低減が迫られるのは間違いない。

奥田社長時代に、トヨタは徹底して原価低減に取り組みましたが、そのツケが後年リコールの増加という形で表れました。 品質に影響を与えないようにしてほしいですね。

しかしこの表を見ると、現在の業界内の順位が如実にわかりますね。

20数年前は三菱自、マツダ、ホンダはドングリの背比べで、日産の半分くらいの規模でした。
そこからホンダは抜け出して日産に肩を並べ、マツダはディーラー網拡大がたたり、三菱自はリコール隠しで自滅しました。

スズキは売上高でマツダより少し多い程度ですが、台数では3倍くらいあります。 逆に言えば、売れているのは台あたりの単価が小さいクルマばかりということです。 「スイフト」で念願だった小型車販売を軌道に乗せたあと、上級車「キザシ」がどう評価されるか注目したいです。

富士重は軽生産から撤退(ダイハツからOEM供給)して、単価の高いクルマに集中することになるでしょう。
レガシィ、インプレッサのFMCがある年はいいですが、波が激しいですよね。 最低でももう1つ柱になる機種(フォレスターかエクシーガ)がほしいところです。 今後のラインナップ強化で、トヨタ・グループ入りが制約になるのか強みになるのか。

三菱自は「貧すれば鈍する」で、今後も縮小傾向が続くと思います。 世界販売台数ではほぼ同等のマツダに、これだけ売り上げで差をつけられているというのは何故なんでしょうね?
大メーカーのグループ傘下に入らない、単独の大量生産型の自動車メーカーとして存立可能な規模の下限値というのは、どのあたりなんでしょうね? 三菱という巨大グループの傘下にいるからこそ存続していられるのだと思いますが。

マツダは先ごろフォード出身の役員が退任して、経営陣からいなくなりました。 依然として14%程度の資本参加はしていますし、エンジンやプラットフォームの共通化も進んでいるので、急に離脱ということはないでしょう。
期待の新型エンジン「SKY」シリーズ待ちですが、2011年にはハイブリッドはプラグインに進化しているので、リッター30km/Lじゃインパクトが薄いかも。
なんとかアクセラを売りまくって、プレマシーやデミオのFMCまで食いつなぐ、という感じですかね。

日産は中国での神風を生かしたいところですが、来年以降も持続できるかが勝負だと思います。 
トヨタ、ホンダもそうですが、セーフティーカー(各国の販売奨励策)が入っている時期に燃料をセーブして、リスタート(景気回復局面)でダッシュして抜け出したいところでしょう。