理系クンが書くマニュアルが読みづらい理由:日経ビジネスオンライン
渡辺 そうですか? 私が天気予報が「晴れ」と言っていたから傘を持たずに出かけて、帰りに雨に降られてしまったときに、玄関先で「雨に降られちゃったよー」とびしょぬれのまま愚痴を言ったら、夫は「この季節の天気予報はアテにならないからね」と返してきたんです。いや、そうじゃなくて! まず「大変だったね」と“いたわりの言葉”をかけるのが普通でしょうと思ったんですけど。こんなことうちの夫以外もするんでしょうか。
あの、それって「理系」だからじゃなくて、「男」だからじゃないかと思うんですが。
「共感」するよりも「教訓」を導き出して、二度とひどい目に合わないようにしてあげたいだけなんですよ。
他にも、
渡辺 私は出版業界で仕事をしていて思うんですが、雑誌というのは、タイトル、見出し、本文と、文字の大きさが大中小、それぞれ全部違うんですよね。それは「ここが見どころですよ!」という部分を強調してお客さんに知らせるために、大きさに差をつけているんです。それに、自分の心の中でも、これは大きなトピック、これは小さなトピックと大小がついているんですね。
でも、夫が素で書く文章というのは、大小がついていないようなんです。全ての文字が同じ大きさで並んでいる。どうやら、夫にとって読みやすい文章というのは、全てが均等に載っているものということでした。「タイトル」があって、そのあとに「概要」。この本は第1章から6章まであって、それぞれにこんな内容が記されていますという概要の説明がある。そして次のページを開くと、「第1章 1―1」。次は第1章の「1―2」。全部の項目が、同じ大きさの文字で並んでいるという。私からすれば、「結局、どれが大事なんだ!?」と言いたくなるわけですが。
実際、いま仕事でCADの講習用マニュアルを編集したりしてるんですが、やはり全ての機能を一通り説明しておく「義務」があるんですよ。 特に取説なんかは抜け漏れがあってはならないんで、どうしても網羅的な記述になりますよね。
でも最近の家電製品のマニュアルは、だいぶ分かりやすくなってますよ。 それでも分からない人はいるんでしょうけどね。
それにダラダラして何が言いたいのか分かりづらいというのは、女性の話にこそ当てはまるというものです。 「今日あった出来事」とか話させたらよく分かると思うんですが、起承転結がないんですよね。
山中 私なんかは哲学科を出て出版社に入ったという、まごうかたなき文系タイプなんです。だけど渡辺さんの旦那様、「理系夫」には相当共感できるというか、これは俺のことだろうと思う部分も多々あったりもする。もしかしたら、「理系クン」の要素は相当数の男性が持っているものなのじゃないかと。
渡辺 あるかもしれませんね。「理系夫」本には、夫の他に夫のIT関係の友人のエピソードも入れたんですが、全員が理系濃度が濃い仕事というわけではないんです。でも、なぜか共通する性分や行動があるなあと思ったんですよ。
結局は、男性と女性の脳の違いによる部分が大きいと思うのです。
昔読んだ本に、こういうのがありました。
話を聞かない男、地図が読めない女―男脳・女脳が「謎」を解く
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“男””女”がどういう生き物なのかを知れる1冊。
分析的な恋愛本
無駄な抵抗をせずに読んだ方が良い本
本当に「理系」男子の特性を書くなら、文系男性に書かせるべきだと思いますけどね。