Car Watch 「VWの12番目のブランドになったわけではない」
VWの出資比率が19.9%になったのは、20%を超えるとVWの連結決算対象となり、VWの経営成績に組み込まれるため。また、先に提携していたGMも、19.9%の株式を所有しており、それが放出されたという理由もある。
19.9%という比率についてVWとは「1時間も議論しなかった」というが、「お互いに相手の経営によって赤字になったり黒字になったりするという、持ちつ持たれつのやり方はもうダメ。経験上、20%程度なら持ちつ持たれつにはならない。出資比率についていろいろ議論はあるが、“自主独立”や従業員にヤル気を起こしてもらうには、まあこのへんが一番いいのではないか」と、鈴木会長はこの数字にこだわりを持っているようだ。「これは私の経営の経験上そう思ったということなので、“お前がそう思うならしょうがない”とご理解いただくしかない。人様にとかく言われたくない、“俺の経営哲学”とご理解いただきたい」。
VWが出資比率を上げ、スズキを完全子会社化するのでは、という観測については「そういう状況になると言うのは、スズキの経営が悪化して、赤字でにっちもさっちも行かなくなったとき。そのときはVWも要らんと言うかもしれない。経営者としては、利益を上げる健全な経営をしていくのが基本。指導いただくことは指導していただく、協力できることは協力する。しかし、スズキの1万5000人の全従業員は、自主独立でやっていく意気に燃えている」と語り、スズキの独立を守る考えを通した。
提携は従業員に危機感を持たせるためでもあるのでしょうね。
提携の効果については、
もっとも提携効果があるのは「部品共通化」と見る。「自動車は大量生産・大量販売がもっともメリットが出る。その中では部品の共通化が非常に重要。最近は各メーカーとも自社のクルマについては比較的、部品の共通化を進めているが、自社だけでなく他社のクルマとも部品を共通化することで、ベンダーさんが大量に部品を生産できるというメリットが出てくる」。(中略)
「成長経済では、技術者同士が会うと、ぞれぞれ自分の部品がいいと言えた。しかし今はそういうわがままを言っている時代ではない。(VWの生産台数にスズキのそれが加わって)世界最大と言うが、数が多ければいいということではない。部品は、量の多い少ないとは関係なく、品質とコスト、生産性で客観的に決まっていく」「GMとはクルマが競合しなかったが、VWとは競合するクルマがある。環境技術の開発では、似たようなクルマがあるのでやりやすいだろう。市場における調整をどうするかという問題はあるが、逆に部品の共通化はしやすい。500万台だろうが1000万台だろうが、まったく違ったモデルなら部品は共通化できないが、似たクルマなら部品の共通化がしやすい」と楽観的だ。
なお、VWとのクルマの共同開発の可能性については「国内では販売を考えてはいない。これまで申し上げたことも、基本は海外戦略。海外では(共同開発車が)ありうる」としている。
モデルに補完関係がある場合は、相互にOEM供給する形になります。 モデルが競合する場合は、共同開発してプラットホームを共通化するのが一般的です。 でもそこまで踏み込むには、長い年月が必要です。
部品レベルで共通化するといっても、社内規格のすり合わせも必要でしょうし、効果を出すのはなかなか難しいんじゃないかしら?
それにしても、鈴木修会長の話は面白いね。 本当にあと20年くらい現役でやりそうなのが凄い。