隠ぺい体質で道を誤ったトヨタ

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トヨタ自動車製の車が突然加速する問題については、6年の間に証拠が積みあがっている。この現象が衝突事故を引き起こし、これまで10人以上の死者を出したとみられている。 (中略)
 
問題の根源をたどると、新式のアクセルペダルを採用した2001年式カムリに行き着く。新式のペダルは物理的にケーブルでエンジンとつながっているのではなく、電子センサーを使ってコンピューター制御のエンジンにシグナルを送る。同じ技術は、レクサスESなどの車種でも採用された。主なメリットは燃料効率だ。
 
しかし、NHTSAは04年の早い時期までに、カムリとESのドライバーから、アクセルを踏まないのに加速することがある、との苦情を受けるようになっていた。調査官スコット・ヨン氏が作成した04年3月3日付の文書によると、NHTSAは37件の苦情を対象に加速について初の調査に着手した。このうち 30件は事故絡みの苦情だ。
 
ミシガン州での訴訟でトヨタ幹部が提出した宣誓供述書によると、ヨン氏と別のNHTSA当局者ジェフリー・クアント氏は、その後20日の間に加速の問題についてトヨタと何度か協議した。訴えによるとこの事故では、05年式カムリが約400メートルにわたり制御不能になり、時速約40キロから128キロに加速した結果、衝突し、ドライバーが亡くなった。

「ドライブ・バイ・ワイヤー」(DBW)は、今ではそれほど珍しい技術ではないんですけどね。

それにしても、個別に事故例とかが報道されると、原因がどうとかよりも「トヨタ車は危ない」というイメージが一人歩きしそうです。 それはそれでまた怖いですね。

トヨタは最終的に2007年型と2008年型のカムリとES350のリコールに踏み切り、所有者に全天候型のフロアマットを敷かないように呼びかけた。リコール対象車は5万5000台に及んだ。
 
リコール実施後も、問題が解決していない可能性を示す報告が断続的に続いた。ひとつの顕著な事例は、2008年にはミシガン州で発生した死亡事故だ。 同年4月19日、グアダルペ・アルベルトさん(77)が運転する05年型カムリは、ミシガン州フリントのコープマン通りを走行していた。現地の裁判所に提出された訴状によると、時速約40キロで走行していたカムリは、約130キロに加速。その後約400メートル疾走して空中に跳ね上がり、2.4メートルほどの高さで木に激突、アルベルトさんは死亡した。この申し立てはミシガン州のジェネシー郡巡回裁判所で現在も係争中だ。
 
この事故でフロアマットが原因だったとは考えにくい。訴訟を担当する弁護士によると、アルベルトさんは事故の何日も前にフロアマットを撤去していたという。この事故は、04年、NHTSAが最初に調査に入ったときに調査の対象から外された「加速が続く現象」タイプの事故と似ている。
 
1年後 NHTSAは、ミネソタ州のある人物から調査を開始するよう依頼される。当人の所有するレクサスES350が、ハイウェイを走行中に加速、その後制御不能の状態のまま3キロ以上猛スピードで走ったという。トヨタはフロアマットが原因だと主張し、申し立てに反論する書類を提出した。

とにかく、急加速を再現できるかどうかがポイントですね。
灰色のままでは、トヨタもトヨタ車のユーザーも不幸です。