富士通内紛で「反社会的勢力」にされたファンドとは?

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富士通内紛で「反社会的勢力」にされた ファンドの虚実 虚偽の発表だった社長退任劇 | 伊藤博敏「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社]

今回とりあげたいのは、「反社」と指摘されたファンドの正体である。
 
富士通が問題にしているのは、英国投資ファンドのサンドリンガムキャピタルパートナーズリミテッドの房広治氏と、その子会社のサンドリンガム・プライベートバリューで代表を務める鳥井洋一氏である。
 
同社のニュースリリースでは、「当社が取引等の関係を持つことはふさわしくない」といい、野副氏解任の場では、監査役が野副氏に対し、「ファンドには反社会的勢力がついている」と、明言したという。

なかなか新聞とかでは名前が出てこなかったんですが、さすが週刊誌です。

その「反社会的勢力」の根拠ですが、

「サンドリンガムについて調べて欲しい」という富士通サイドの依頼を受けた大手証券幹部は、昨年5月の段階で、秋草相談役や法務本部長などに、こう報告している。
 
「武富士、YOZANに関係しているのでレピュテーションリスク(評価リスク=悪い評判が広がることによる危険)はある。付き合わないほうがいい」
 
つまり証券幹部は、武井保雄元会長が盗聴で刑事罰を受けるような消費者金融の武富士、ビジネスモデルが壊れて「増資マフィア」と呼ばれる人間が群がるYOZANのような会社に関与するサンドリンガムとは付き合わない方がいいといったのであり、「反社」と名指ししたわけではない。(中略)
 
刑事事件を引き起こす武井氏の品格や、節税スキームを原因に、房氏やサンドリンガムを批判するのはおかしい。ファンドは投資家のものであり、プライベートバンカーは顧客のために最善を尽くすのが務めである。(中略)
 
YOZANにしてもそうだ。同社が多用するMSCB(修正条項付き転換社債)は、ライブドアがニッポン放送を買収する際に使って知られるようになったマネーゲーム的手法だ。証券界では発行会社と証券会社の欲望は満たしても、株主価値の向上につながらず、逆に1株当たりの価値を落とすと評判が悪い。
 
だが、違法ではなく、金融機関に見捨てられた上場企業の最後の資金調達手段である。そうした会社のCFOを鳥井氏が務めたとしても、レピュテーションリスクは負うとしても、「反社」ではない。

結局は野副社長を追い落とすための口実が必要だったというだけでしょうね。