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最近、いろいろな本を読んでいますが、大抵の場合その内容はすぐ忘れてしまいます。 「本に書いてある通りに実践してみよう」とは思わないですね。
別に意図的に忘れようとしているのではなく、ただ忘れるのに任せているだけなのですが、それでも印象に残ったフレーズなどは記憶に残ります。
それがあるシュチュエーションに遭遇したとき、行動や言葉として出てくるのですが、どこでそれを知ったのかなんてことも忘れているのです。
で、一度読んだ本はしばらくたってから読み返すのですが、そのときに「あー、この本に書いてあることだったか」と再発見する訳です。 そうやっていつの間にか身に付いていっているような気がします。
この本は2時間くらいで読めてしまう分量ですが、「人の話を聴く技術」をわかりやすく解説しています。 特に「無能になって聞き、無知になって教わる」というのは金言だと思います。
注意しないといけないのは、この本に書かれているのは「相手の話を聞きたい、話を引き出したい」と思っている場合の「傾聴」の技術だということです。
苦手な人と話をしなければならないときとか、話が弾まない人とたまたま同席したときとかに、当たり障りなくやり過ごすという技術ではありません。
もちろんこの本の技術を適用することは可能ですが、高圧的で押し付けがましい人を相手に「傾聴」すると、相手はますます図に乗って話てくるので逆効果です。 こちらがストレスを溜めることになりますので、止めておいた方がいいでしょう。
こういう時は、「この人がするこの話は絶対に聞かない」と決めてしまう「パラドックス技法」というのが有効なのだそうです。 p.38に簡単に触れているのですが、もう少しこの辺りの技術も知りたかったですね。