人事異動が多い人と少ない人 どっちが優秀?

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Business Media 誠:吉田典史の時事日想:どっちが優秀なの? 人事異動が多い人と少ない人

中堅・大企業の異動は、定期的(少なくとも年に1回)、全社員を対象に行っているケースが多い。林さんが指摘しているのはこの異動のことである。例えば、営業1部→営業3部→営業企画部などと移り、係長→課長補佐→課長と昇進していくならばその人は「軌道に乗っている」と言える。
 
一方で「軌道から外れている」人もいる。特に30代半ば以上の社員の中には、1つの部署にほかの社員よりも長く在籍したり、地方支社をいくつも回っている人がいる。当然、昇進などはない。
 
役員や人事部は、この人たちには辞めてもらいたいと思っているだろう。しかし、この時事日想でも述べてきたが、正社員を解雇にすることは法的に難しい(関連記事)。私はこの解雇要件を段階的に緩めるべきだと思うが、現在は正社員を解雇することは勇気のいる試みである。結局、「軌道から外れた人」はその後も会社に残る。

自分なんて入社23年目ですが、いまだに新入社員として配属された部署にいますよ。 ということは「軌道から外れた人」になる訳ですね。
もっとも、別段出世はしておりません(したいとも思いません)から、そうかもしれません。

さらに、

例えば、新聞社やテレビ局、大きな広告代理店、出版社になると、40~50代でこういった人たちが一カ所に集められる部署がある。そうしたセクションは「データ推進部」などと、何をしているのかよく分からない名前が付いている。
 
私が勤務した職場では、こうした部署は「姥(うば)捨て山」ならぬ、「ジジイ捨て山」と20~30代の社員たちに言われていた。今後は、40代のバブル世代で「軌道から外れている」社員がこの山に行くことになる。一部では、すでに始まっている。

そういう「シルバー職場」に、新入社員として配属された自分の場合はどうなるのでしょうか?

「異動履歴を見ると、時々、脈絡のない異動をしている人がいる。例えば、営業部にいてその後、経理部に移り、今度はそれらとは業務の関連がさほどない部署に移ったりする。しかも、それぞれの在籍期間は1~2年とほかの社員よりもかなり短い。こういう場合は、その社員に何か問題があるのではないかと見ることができる」
 
つまり、異動の数が多ければその社員が「軌道に乗っている」とは言えない場合もあるのだ。私がこういう社員を観察していると、20代のころからその気配を漂わせている。特に会社員としての自覚に乏しいタイプが目立つ。例えば、上司に報告・連絡・相談をすることなく、1人で仕事を進めていく。それで悪びれたものがあまりない。こういう人は上司から追い出され、いくつかの部署を転々としていく。気の毒だが、30代になると早くも「軌道から外れた人」になるのかもしれない。
 
一方で、脈絡のある異動をする人。例えば、営業1部→2部→営業企画部と移り、一定のペースで昇進していく人には、おそらく支持者がいるのだろう。実力のある役職者(担当役員、本部長、部長など)の支持がなくて、こういう異動はまずできない。これこそが、この連載で何度か述べている「職場で生き抜くインフラ(基盤)」である(関連記事)。会社員は、組織の人である。組織の中で力のある人に認めらない限り、ほかの社員よりも早く昇進したり、活躍することは不可能なのだ。

これは全くもってその通りです。 会社の中で漂流していく人をよく見ていました。 そこで「手に職をつけよう」と専門職としての武器に磨きをかけたんですけどね。

出世コースに乗ってる人も、けして羨ましいとは思いません。 意欲と能力がある人は、どんどん頑張って力を発揮してほしいと思いますしね。
余計なお世話かもしれませんが、少し心配もあります。 それは本人の実力が過大評価されて、オートマチックに昇進していくと、ある地位まで上がったときに無能であることが露呈することです。 ストレッチ・アサインメントが失敗に終わったと言い換えてもいいですね。

本当にデキる人というのは、どのような環境でも浮いてくるものです。 ハウスで促成栽培するように人を育てても、本人のためにはならないと思いますよ。