『仕事の思想―なぜ我々は働くのか』 田坂 広志 (著)

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仕事の思想―なぜ我々は働くのか (PHP文庫)
田坂 広志
PHP研究所
売り上げランキング: 6285
おすすめ度の平均: 4.5
4 良書。ひたすら前向きに切り取られる仕事の一側面。読み手も動かされるはず。
4 行間から情熱がにじみ出ています
5 前向きな気持ちにさせてくれる
5 仕事、やる気になります
5 仕事の哲学

業務としてマネジメントをやるようになって、本棚にあるマネジメント関係の本を読み返しています。 その中に、田坂広志氏の『なぜマネジメントが壁に突き当たるのか―成長するマネジャー12の心得』という本がありました。

この本を購入したのは6年前で、まだ現役の設計者だった頃です。 どこで知ったのかは覚えていませんが、Amazonのマーケットプレース(中古本)で買ったのだと思います。
大局観とか複雑系とか深層心理とか、難しいことが書いてありましたが、一通り読んで興味深く思った印象があります。

当時は海外支援業務に応援に出される前で、「定年まで現役の設計者でいたい」と考えていたので、なんでマネジメントの本なんか買ったのかはよく分かりません。
でも実際にマネジメントに携わるようになってから読み返すと、ものすごく深いことが書いてあるなぁと思います。


たとえば「操作主義」について。 マネジメントをするようになれば、部下に役割を課して自発で動いてもらわねばなりません。 しかし、あたかもコマのように動かそうとすると、かえって人というのは動いてくれないものです。

自分自身、意に沿わぬ指示には反発したりするタイプでしたが、似たような過ちを4月早々にやってしまいました。 相手の不服そうな顔を見て、「こりゃイカン」とすぐに修正しましたが、「自分の思い通りに動かそう」なんて傲慢な考えは、気を付けていてもいつの間にか入り込んでしまうものです。

で、この『仕事の思想』ですが、これはむしろ社会人になったばかりの若者に向けた本です。 ですが「操作主義」の陥穽や「夢を本気で語ること」の大切さや、「顔を合わせることのない友人」に励まされることなどが語られています。 若者だけでなく、ヒネた大人も読んだ方がいいと思います。 本当にオススメです。