トヨタ自動車がトップ? そりゃなんかの間違いだろう。
と、思いますよね。実は取材班も最初はクビをひねりました。なんかの間違いじゃないだろうか。(中略)
にもかかわらず、今回のアフターサービス調査では、自動車部門でトヨタブランドは高評価を得ました。いったいなぜだろう?
実は、アンケートに回答いただいた方々が評価したのは、品質問題に揺れ、情報開示が遅れた「トヨタ自動車」というメーカーではありません。実際に評価されたのは、トヨタ車を現場でお客さんに売っているディーラー=販売会社のサービスの質だったのです。
ディーラー=販売会社にとっても、ここ数ヵ月のトヨタバッシングは、トヨタ本社以上に、一般の方々やお客さんから受ける立場にあっただけに、すさまじかったはずです。その対応の大変さは並大抵のものではありません。
でも、その大変さを跳ね除けて、トヨタブランドはランキングトップになったトヨタのディーラーはいったい何をしたのか?
その答えは、ぜひ本誌をお読みいただきたく思います。
ただし、これだけは書いておきます。
トヨタのブランドを救ったのは、本社ではなく、販社である。販社のアフターサービスの水準の高さが、普通考えたらガタ落ちするはずの顧客満足度を向上させた。
モノが余り、サービスが余っている現代社会において、製造業にしろサービス業にしろ、本当に売り物になるのは、製品のすばらしさやサービスの先進性だけではないのです。それ以上に他社を制するカギを握るのは、販売現場などお客さんと接する場で社員たちが、お客さんに与えることのできる「人の力」なのです。
まあ、日本ではアクセルペダルの問題も起きてないし、プリウスのブレーキだって大半の人は気にならなかった訳で、「なんでそんなに騒いでいるの?」とトヨタに同情的なユーザーが多かっただろうとは思います。
でもトヨタのディーラー(特に地場資本系)の強さは全くその通りで、まさしくトヨタを支える石垣のような存在です。 他のメーカーでは真似ができないですね。