「無料モデルに興味はない」「プログラマは創造的だ」~セオドア・グレイ氏インタビュー - @IT
――この書籍を拝見した際、「『教育者として子供や一般の人々に科学の面白さを伝えたい』といった、明確な意図を持って書き上げたのかな?」という印象もあったのですが、どうでしょうか?
グレイ 私はね、自分が面白くて、魅了されている事柄について行動するのが好きなんです。だから、そういう意図があったというのは違うかな。「誰かに何かを教えるために本を書いてくれ」とオーダーされたら、こんな書籍は作れなかったと思います。
誰かが私のやることに興味を持ってくれることについては感謝するけど、自分が心の底から楽しいと思えること以外は、行動に移せない性分なんですよ。(中略)
自分が楽しまなければ良い仕事はできません。楽しくなければ、時間の無駄です。そんなことすぐに止めて、ほかに何か楽しめることをやった方がいい。そうすればもっと、上手くいくはずですよ。私自身、自分が好きじゃないことで何かを上手くやるのは苦手です。
とはいっても、楽しくて、かつ、自分以外の人をも楽しませられることで食べていくのは大変なことです。商売っけが全然ないと、生きていけませんからね。
そういう「性分」を活かして生計を立てることができるのはまさに理想です。 裏をかえせば、かなり難しいということなんですが。
それではどうすれば、楽しいことをやって生きていけるのでしょうか?
何かにものすごく興味が湧いて、自分の“仕事”を放り出してでもやりたいと思えることができたら、それは良い予兆です。簡単な話、何かに長い時間をかけたとしましょう。それが人がやったことのないたぐいのことだったと分かったら、それはすごく面白いことです。「元素図鑑」を作っていたときのことを思い出しますけど、すごく楽しかったですよ! 2カ月間、それ以外は何もやらなかった。家族にも会わずにね。家族には悪かったけど、やったかいがありましたよ。
ただ、運もあったとは思いますけどね。一生懸命やったからといって、成功の保証はないわけですし。時間をうんと使ったところで、何にもならないことだってありますから。失敗したって、誰が気にしてくれるもんですか(笑)。ただただ、楽しかったからこそ、できたことなのです。
えーと、いま作っている「プランB」なんて典型ですね。 係長としての仕事は半分放棄して、暇さえあれば作っていますし、自宅にいるときも常にPCに向かっています。 おかげで痔になりそうなくらいです。 で、疲れたら犬と遊んで昼寝します。
あれがモノになるかどうかはわかりませんが、楽しくなければ続かないでしょう。