【日産自動車】 7年前の中国投資が功を奏し 2度目の「V字回復」を達成|数字で会社を読む|ダイヤモンド・オンライン
03年、日産は1200億円を出資し東風を設立。トップの総経理に日本人を置き、連結子会社とした。日産の中国進出はトヨタ自動車、ホンダに比べ、遅れていた。そのため、一気に巻き返しを図ったのだ。
合弁会社設立後も工場の生産能力の増強や新たな工場に積極的に投資をした。03年から4年間で、約1900億円の設備投資、約300億円の研究開発費の投入をぶち上げ、車種も7車種投入。
エンジン工場の新設、既存工場の増強、本社機能の移転など、04~06年に次々と東風は拡大していった。
車種の展開にもこだわった。他の大手自動車メーカーが他の国ですでに発売ずみのモデルを中国で販売するなか、日産は、中国で開発をし、中国のモーターショーで初めて発表し、世界で最初に中国で投入するなど、中国重視の姿勢を打ち出してきた。
11年3月期の上半期の営業利益約3350億円のうち、約960億円がアジアからで、中国は「半分以上」(日産関係者)と、かなりを占めている。(中略)
じつは、中国事業が営業利益に直接貢献するのは、日産だけだ。
トヨタ、ホンダは中国の合弁会社を持ち分法適用会社としているため、どんなに合弁会社の事業が好調でも営業外収益の「持ち分法による投資利益」としてしか貢献しない。もちろん、その逆に合弁会社が減益になっても営業利益には影響しないという利点もある。
その点、日産はリスクを取り過半の株式を握り、代表も日本人を据え、連結対象とした。開発、生産もすべて日産が主導している。
「遅れて参入したからこそ、深くかかわる必要があった」(同)。背水の陣の決意で連結化したことが幸いしたのだ。
トヨタとホンダは、チャイナリスクを考えていつでも足抜けできるようにと考えていたんですよね。 ああいう国なので、資産を接収するとか言い出しても不思議はないですから。
今の中国での勢いの差は、トップの決意の差から来ているのでしょう。