国内生産堅持、マツダの大義に勝算はあるか| nikkei BPnet 〈日経BPネット〉
そのなかでマツダの山内孝社長が下した決定は“異様”であった。為替レートが1ドル70円になっても、60円になっても、広島で自動車を生産し続けるというのだ。さらに周囲を驚かせたのは、現時点でもダントツに高い輸出比率を今後さらに引き上げるというのだ。
「現在の輸出比率80%を85%まで伸ばす」
なぜそこまでやるのか。ある役員はマツダはそういう生き方しかできないのだとして次のように話した。
「広島は日本の縮図みたいな地域です、地元経済の規模が小さい分、企業が海外に移転したときに与えるダメージがより一層大きく感じられます。きれいごとを言うと批判されているが、うちは日産さんのような合理的な考え方はできない」
事実、マツダは90年代の経営危機をフォードの支援によって乗り切ったが、厳しいリストラのプロセスにおいて地元の広島経済が底抜けした時の経験が忘れられないのだろう。マツダの経営判断が広島経済の生殺与奪を決めかねないことの恐ろしさを経営陣は痛感したのだ。
そういう方針なら、中途半端な拡大策は取らずに、まずはどんな外部環境になっても赤字を出さない体質にしていかないとね。
幸運を祈ります。