2010年1~11月のブランド別の軽自動車の販売シェアは、首位のダイハツが34.9%で、2位のスズキが32.6%。両社で7割弱を占める。ところが、スズキが日産に供給するようなOEM分を含めた事実上のシェアは、スズキ41.8%、ダイハツ35.6%と、合計で8割弱にまで跳ね上がる(下グラフ参照)。
軽自動車の生産を他社に頼るケースは珍しくなく、例えばマツダブランドの軽は全量をスズキが生産している。
ダイハツも現状のOEMの数字はスズキに見劣りするが、今後状況は大きく変わる。トヨタ自動車と富士重工業の提携強化によって、富士重は軽自動車の生産から撤退。すべてをトヨタ傘下のダイハツからのOEMに切り替える。当のトヨタも今年秋にダイハツからのOEMを受け、軽市場に参入する。
こうなれば実質的な2強の合計シェアはさらに増えて8割を超え、市場の寡占化に拍車がかかる。生産量、販売量が多ければ、製造原価や開発費の負担が軽減し、当然競争力は高まる。
スズキやダイハツのシェアがこれだけ高まったのは、モデル数を増やして多様な顧客ニーズに応えられるようにしたからです。
対してホンダや三菱は、定番モデルに依存してそういう努力を怠ったツケが出ているのでしょう。