企業側が考える「即戦力」の意味とは?

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即戦力をめぐる企業と大学の“共犯”関係:日経ビジネスオンライン

独立行政法人労働政策研究・研修機構の労働政策研究所は2005年、企業の採用担当者に対してインタビューを行い、企業側が新卒に求める「即戦力」の意味を分析した。その結果、「新卒者に対する即戦力の意味するものは、より高度な基礎能力」としている。
 
一般的には、即戦力というと、職務経験のある中途採用者や専門スキルを持つ人だと理解されるのだが、それとは異なるというわけだ。
 
そして、求められる基礎能力は、「課題創造・達成力」を軸としており、「即戦力とは、すなわち育成期間を短縮できる力」と結論づけている。
 
同研究所が昨年の6月に行った調査でも、「状況を的確に把握し行動できる人材」を求める傾向が強まっていることが明らかになった。また、これまで「従業員の個性に合わせた専門性を育てる」という考え方だった企業でも、「組織・チーム内で総合的に力を発揮できるように育てる」という方針を打ち出している。

専門学校は別として、大学に求めるのは知識やスキルよりも論理的な思考力とか行動力とかでしょ。 英語で言う「Smart」な人材です。

これは今に始まったことじゃないですよね。 実際に入社したあとの高卒者と大卒者を比較すると、入社10年以上経っていても思考力の差は明確にあります。 若いうちに訓練をしておくのは大事だと思いますね。

いろいろとアンケート調査の結果やら、数字やらを並べてみたけれど、簡単に言うと企業の本音は……。
 
「もう私たちは人材育成をしません。雇ってもらいたければ、自分で勝手に育つだけの基礎能力を備えてきてね。それで入社してからも、自分のお金を使って成長してね。だって、お給料払っているし、それを自己啓発に使ってもらうと会社としても助かるわけ」

よく日本は人材流動性が低いと言われますが、年功序列や終身雇用制は元々は入社してから手塩に掛けて育てた人材が流失しないようにするためのものでした。 社員個人も会社の人材育成制度に乗っかっていれば、右肩上がりでスキルもポストも上がっていったのです。

欧米的に「自分のキャリアは自分で作る」のが当たり前になって、自分を伸ばせて収入も上がる会社にどんどん転職していくようになればいいのでしょうが、今の状況は新卒者に努力を強いるだけで報われないですね。

もう23年も前ですが、入社式で社長が「自律した社会人になりなさい」と話したのを覚えています。 こういう要求は今に始まったことではありません。
「男にもてたいからオンナを磨く」のか、「自分自身のためにオンナを磨くのか」と同じことじゃないかな? 外発的動機か、内発的かと言い換えてもいいですが、自分自身で成長していける人材であるべきというのは異論はないと思います。 「何のために」を履き違えないようにしないとね。