東奔政走:動き出した「菅退陣」と「衆院解散」のせめぎ合い - 毎日jp(毎日新聞)
大方の予想通りに、迎えるべくして3月危機を迎えた菅直人首相だが、その物言いや振る舞いは危機の当事者にふさわしくない。
曰く、「予算が最も重要ではないですかという(私の)質問になぜ答えられないんですか」
曰く、「歴史に対して責任が持てる行動を取ってもらいたい」
いずれも2月23日の党首討論で谷垣禎一自民党総裁に首相が投げつけた言葉だ。「熟議」という、もっともらしい議会道徳を振りかざしながら、もう片方の手では野党への攻撃に余念がない。
谷垣氏に続いて登場した公明党の山口那津男代表は、見かねたように首相をたしなめた。「協議をしないのは自民党のせいだと言わんばかりの居丈高な姿勢。一国の総理として大事な議案を成立させていく姿勢とは到底思えない」。(中略)
ところが、菅首相は気弱になるどころか、しごく猛々しい。首相退陣を条件にした野党との取引について「古い政治に戻るつもりはない」と一蹴し、「何としても4年間頑張り抜きたい」と続投に並々ならぬ執念を燃やしている。
これは多分に本人の性格によるものだろう。自民党などの世襲政治家と違ってなかなか神経がずぶとい。わずかでも相手の弱みを見つけ出すと、自らの非は省みずにここぞとばかりに責め立てる。
予算関連法案がこのまま成立せず、4月以降に日本経済や国民生活に具体的な悪影響が出てきたら、世論の批判は妥協を拒む野党に集まる。そうなれば公明党も修正協議に乗ってくるだろうし、あくまで自公で抵抗するなら、「無責任な野党」を思いっ切り非難して衆院を解散すれば勝機はある。
菅首相の強気の思考回路には、どうもこんな政局イメージがあるのではないか。まるでめった打ちに遭っているダメ投手が、「いやいや、9回裏になったら相手投手が弱るから、総攻撃に打って出よう」と降板を拒んでいるかのようだ。
民主党政権を擁護する記者が多い毎日新聞には珍しく、正しい状況認識ですね。
個人的には、統一地方選挙で惨敗しても、まだ首相の座にしがみつこうとすると思いますよ。 管という男は。
引導を渡せるのは、仙谷じゃなくて伸子夫人でしょ?