「プリウスα」のばね上制振制御、車輪速から車体の動きを推定するデンソーの技術を採用 - クルマ - Tech-On!
トヨタはばね上制振制御を、「アベンシス」のディーゼルエンジン車に2007年から採用していた。ディーゼルエンジンのトルクの応答性は高く、ばね上の動きを計算してからディーゼルエンジンのトルクを制御することで車体のピッチングを「十分に抑えられる」(トヨタ)という。ただ、ガソリンエンジンへの適用については、同エンジンのトルクの応答性が一般に低いことから「今後の課題」(トヨタ)とする。
プリウスαでは、アベンシスに採用した技術を進化させた。具体的には、アクセルを踏んでいないときのピッチングも抑えられるようにした。ディーゼルエンジンの場合、アクセルを踏んでいない場合にはトルクを変えられず、ばね上制振制御を適用しようがない。一方、モータを使えばアクセルペダルを踏んでいない場合でも、トルクを制御できる。
さらにプリウスαでは、操舵時に車両が対角線を軸にして動きを制御する機能を追加した。減速しながらステアリングを操舵して車両を旋回させるとき、車体は前方に沈み込みながら(ダイブしながら)、ロールする。例えば右に旋回するときは、車輪前部が沈み込みながら旋回輪側が浮き上がり、右前と左後ろを結ぶ線を軸にして傾く。この対角成分の動きで浮き上がる1輪の接地荷重が小さくなり、旋回性能という点で悪影響が出る。そこで操舵時のロールに合わせてピッチ速度を抑えるようにモータトルクを制御することで、対角上の動きを生じさせるロールとピッチの変動を小さくしたという。
ホンダも昔、モーターの出力を制御することでエンジンの振動(トルク変動)を緩和させたりしていましたが、車体全体の姿勢制御に応用するのはトヨタの方が進んでいます。
こういう技術はむしろ(特にインホイールモーター化された)EVで、さらに有効でしょう。