チキンレースに勝ったのは小沢か

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asahi.com(朝日新聞社):小沢氏、側近に「自主的判断でいい」 不信任案への対応 - 政治

民主党の小沢一郎元代表は2日午後、菅直人首相の将来の辞意表明を受け、内閣不信任案への対応について、側近議員らに「今までなかったものを引き出せたんだから、自主的判断でいいだろう」と述べた。小沢氏は1日夜、不信任案に賛成する意向を表明していた。

とりあえず内閣不信任案は否決されそうですね。

もともと小沢や鳩山は、管を引きずり下ろせればそれでよかったのです。 民主党を割るつもりも、解散総選挙するつもりもなかった訳で、即時ではなくても管から辞任の言質を取れれれば、目的を果たしたことになります。

その意味では、ハナから野党とは同床異夢でした。 野党の力を使って管を追い込むという戦略は、まんまと成功したわけです。

「茶番」「今ごろ何を」…首相辞任表明で野党 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

自民党の谷垣総裁は、国会内で開かれた代議士会で「一体いつ震災対応のメドが付くのか、首相は何も言及していない。これは茶番にすぎない。この政権を一刻も早く打倒しなければならない」と強調した。
 
伊吹派会長の伊吹文明元幹事長は、派閥事務所で記者団に「辞任の時期を明示しないこと自体、首相の資質に欠けている。地位の保全だけが目的だろう。民主党も与党であることだけに固執しており、政党の体をなしていない」と述べ、首相や民主党の対応を批判した。
 
公明党の山口代表も国会内で記者団に「今ごろ何を言っているのか。不信任案を否決に導くために不確定、不鮮明なことを言うとは、驚きを禁じ得ない。厳しく不信任案を突きつけていく」と述べた。

野党からしたらそう思うでしょうね。

「一定のメド」とは何か、ということですが、

菅首相が退陣意向表明、不信任案は否決へ - 政治ニュース : nikkansports.com

退陣の具体的な時期をめぐっては、代議士会に先立ち首相と会談した鳩山由紀夫前首相が「震災復興基本法案を成立させ、2011年度第2次補正予算案にめどをつけた段階での首相退陣で合意した」と述べた。鳩山氏も反対方針に転換した。
 
ただ岡田克也幹事長は2次補正予算や復興法案成立は必ずしも首相退陣に直結しないとの見方を示した。

いくら執行部が強がっても、退陣表明をした人間に忠誠を尽くすバカはいないです。 どうしたって「後継を誰にするか」に焦点は移っていきます。 菅政権が死に体になるのは避けられないでしょう。

コラム:終幕に向かう菅政権、新内閣には連立組み替えが必要 | コラム | Reuters

内閣不信任案が2日の衆院本会議で否決されたが、菅直人首相が一定期間後の首相退陣を表明したことで政権のレームダック化(末期的弱体化)は避けられない。(中略)
 
菅首相が1日でも長く首相官邸で執務することを熱望しても、政局は次の首相選びに早速動き出すに違いない。復興構想会議の議論が取りまとめられる6月中には、大震災で被害を受けた地域の復興プランの柱が出てくると見られるが、そのころには菅首相に退陣約束の実行を促す声が小沢一郎・元民主党代表や鳩山前首相のグループから巻き起こり、民主党代表選の日程に関して具体的な検討が始まっている可能性があると予想する。

一度でも「辞める」と口に出したら最後、権力はその人から離れていきます。

昔、「重大な決意」と口走ってしまって、党の長老にソッポを向かれて総辞職した海部俊樹の例もあります。 それだけ総理の言葉は重いです。

ただ、小沢VS反小沢の暗闘はまだまだ続くでしょうし、政治はこれからも停滞したままでしょう。 結局は何も変わっていないのです。
不信任案可決でガラガラポンになった方が、長い目でみたら良かったのではないかと思います。