「だめトップ」と「強い現場」の悪循環を断ち切ろう:日経ビジネスオンライン
気をつけなくてはならないのは、個人個人に明確に役割が分担され、その役割が果たされる=組織力が高い、とは必ずしもならないことです。「役割を明確にする」ことは大切ですが、組織に必要な機能、仕事のすべてを明確にすることはできません。環境が変われば、これまでにない仕事も当然でてきます。「私の仕事ではないからやらない」というのであれば、幸運の女神の前髪をつかむことは決してできないでしょう。そして、組織力は「分担」された個人の役割が、組織として「統合」されて初めて発揮できるものです。1つひとつの歯車が、ぶんぶん空回りしているのではなく、目的達成に向けてかみ合ってこそ、個人ではできない大きな仕事ができるのです。
その意味で、組織力とは「個人個人の役割がきちんと果たされること」だけではなく、役割としてはっきり規定できない隙間が埋められ、さらには「個人個人の仕事を組織の力として結びつける」ことがどうしても必要になります。後に何度も触れますが、組織において「分業」「専門」という話はよく聞きますが、「結び付ける」「統合」という点については十分な注意が払われていないのではないかと思います。「力を合わせる」ことや「チームプレー」の大切さはいろいろなところで指摘されていますが、だから組織として何が必要かという議論にはならず、個人の心構えの問題として済ませられていないでしょうか。
一人では(一定期間内に)できない仕事をするために、一旦それをブレークダウンして役割分担し、さらにその成果を統合しなければいけないということですね。
確かに役割分担して、あとはそれぞれが役責を果たすというところで思考が止まってしまうことが多いように思います。 自戒しなければ。